大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会が19日、都内で開かれた。18日に幕を閉じた名古屋場所では、6場所連続休場明けの横綱横綱白鵬が全勝優勝を果たした。進退を懸けた場所での復活優勝となったが、横審の委員らからは横綱の品格について批判の声が集まった。

都倉俊一委員は「白鵬に対しては勝てばいいものではないと。横綱の持っている美学みたいなものを期待した」とコメント。白鵬は14日目の大関正代戦で仕切り線から大きく下がって立ち合い、張り手を連発。千秋楽の照ノ富士戦では、肘打ちともとれる右エルボーを浴びせ、勝った際には土俵上で派手にガッツポーズしていた。

それらに対して、各委員らからは批判の声が相次いだ。都倉委員は「確かに全勝優勝は立派なもの。ただ、日本の国技でもある相撲はそれだけではないということを、どうやったらわかってもらえるだろうか」と頭を悩ませた。また「結局、相撲というのは何か。国技というのは何か、ということを本当は親方、師匠が教えなければいけない。理事長が白鵬を呼んで厳重注意をするということです」と今後、八角理事長(元横綱北勝海)が白鵬に厳重注意をするという。

山内昌之委員は「13日目までは、休場していた中で何とか必死さやひたむきさがある部分があった」とするも「でも14(日目)、15(千秋楽)はもうあり得ない。ほとんど最低のレベルの相撲。横綱としては特に。私は名古屋場所、千秋楽を正面で見ていたのですが、あの音もそうですが、終わった後のガッツポーズとか雄たけびとか鬼の表情とか。あれはなんだい。全然問題外でしょ。なにも語ることはないですよ。横審の全員が厳しい意見でしたよ。問題外というか、もっと厳しい意見も出ましたよ」と厳しい言葉を並べた。