日本相撲協会は30日、東京都内で臨時の理事会を開き、大麻使用が判明していた十両貴源治(24=常盤山、本名・上山賢)を懲戒解雇処分に、師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)を委員から年寄へ2階級の降格処分にすることを決めた。

報道陣の電話取材に応じた同協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は、処分を言い渡した際の貴源治の様子について「相撲協会、コンプライアンス委員会、皆さま方に大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と謝罪の言葉があったことを明かした。

理事会の審議では「以前の薬物使用の事例があった後に、薬物に対しての協会としての法律を、ちゃんと決めています。世間一般の法律とは違って、協会の中では薬物を使用したら解雇と決められています。皆さんが理解されて異論なしということ」と反対意見などはなかったという。また師匠の常盤山親方に対しては「(監督責任は)師匠としての使命。師匠もちゃんと律して、自分の弟子をしっかり監視していかなければいけないこと」と全部屋への共通認識を示した。

今回の件の受け止めについては「年齢的にも、やっていいことと悪いことの分け隔てはできる。研修会を、しっかり行ってきた中で事件が起きたわけですが、本人のモラル。相撲協会で、そういう人間がいたのは残念」と述べた。同協会は全協会員に対し、あらためて薬物使用の禁止を厳しく通知。今後の対策として、全協会員への薬物研修及び薬物検査の実施を検討するが、具体的には「いつ行うかなどは、これからの問題で検討中」とした。最後に「相撲協会としては残念。協会の看板に泥を塗ってくれたな、ということ」と厳しい口調で話した。