田子ノ浦部屋から独立して初めての場所を迎えた荒磯親方(元横綱稀勢の里)が13日、代表取材に応じ「これからようやくスタートだなという気持ちですね」と心境を語った。

弟子の序ノ口加藤、序二段谷口、足立、西原と4人全員が2日目に一番相撲を取った。荒磯部屋にとっての“船出”となり、4人中3人が白星。荒磯親方は館内のモニターで4人の相撲を見届けたといい「『荒磯部屋』って放送があった時にはちょっとね、まあいろいろ思うところありますからね。残りの3人が勝ってくれたので良かったです」と喜んだ。緊張感は自身の現役時代より強い。「自分でやった方がやっぱり楽ですよね。人の相撲を見るっていうのは昔からね、自分は緊張しますしね。どうなるのかな? とか、どうしてくれるのかな? とかね。稽古通りにいけるのかなとか、いろいろ考えることがあるからですね」と話した。

自身の付け人を務めたこともある足立以外の3人はまだ10代。「勝敗も大事ですけど、それ以上に体づくりっていうものに(重点を)置いてる」。部屋に戻れば弟子の取組映像を必ず確認。稽古場にはホワイトボードを設置し、弟子も含めて気付いた点を記入する。部屋全員で課題を共有するという。

部屋の活性化に向けて「本当に長い目で見てますし、本当に最後、大きな勝利をつかむために今がすごく大事な時期だと思いますから。稽古場からしっかり教えていきたい」と意気込んだ。

幕内では、現役時代も対戦経験がある新横綱の照ノ富士が快勝発進。「心技体充実している。品格、力量ともに抜群じゃないですか。それがぴったり合うような相撲でしたね。土俵入りから落ち着いていましたし、取組も落ち着いていましたし、本当に横綱、これぞ横綱という相撲を初日から見せていましたね」と絶賛した。17年春場所で新横綱優勝を果たした自身に続く快挙が期待できるか、という問いには「皆さまが思う通りじゃないですか。我々も相撲協会も照ノ富士(に期待)というようになってきていますから」と笑った。

一方で正代、貴景勝の両大関が敗れるなど、優勝争いは照ノ富士“1強”と見る声もある。荒磯親方は「大関も敗れましたし。唯一、生き残っているのが(照ノ富士以外の三役以上では)初日にしてね、御嶽海という状況ですから。本当に横綱頼りな場所にまたなるのかなと思いますよ、本当に」と心配していた。