西前頭10枚目妙義龍(34=境川)は、2敗を死守して優勝戦線に残った。初顔合わせとなった東前頭15枚目の一山本を下して9勝目。鋭い踏み込みから右を差し、出足に任せて一気に寄り切った。

立ち合いでもろ手突きを選択する傾向が強い相手だったが、この日は頭から当たってきた。妙義龍は「だいたいもろ手で当たっているイメージだった」と頭に入れた上で「あまり前のめりにならないように、足で相撲を取ろうと思っていた。どんな相手でも自分の相撲で当たっていくことが大事」と胸に刻んでいた。「初めての対戦だったので、あまりよく分からなかったけど、とりあえず当たろうと。中途半端に当たらずに。足がよく前に出た。流れのある相撲だった」と好内容にうなずいた。

1敗を守った単独首位の横綱照ノ富士を、1差で追いかける。優勝の可能性を残す関脇経験者のベテランは、賜杯への意識について「特にないですね。別に」とクールに語った。