日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で理事会を開き、横綱白鵬(36=宮城野)の現役引退と年寄「間垣」襲名を承認したが、異例の「誓約」付きとなった。5月の間垣名跡継承の際、白鵬に対して委員会が忠告した事項が、その後に守られなかったことから、厳しい意見が続出したという。

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厳しい意見をつけられる格好となった白鵬だが、乗り越えてもらうしかない。これまでに白鵬は、幾度となく横綱としての在り方や品格を問題視されてきた。27日に開催された横綱審議委員会(横審)の定例会合で、功績を認められた一方、矢野弘典委員長は「相撲の取り口、審判に対する態度、土俵外での振る舞いに目に余ることが多かった」と指摘。「弟子の育成にあたると思うが、十分に反省して相撲道のよき伝統を伝えて欲しい」と注文した。

その注文を協会がうのみにしたわけではないだろうが、協会が白鵬の言動に頭を悩ませてきたのは事実。年寄承認にあたり、さまざまな厳しい意見が出たのは致し方ない。ただ、何はともあれ、親方として後進の指導に当たることとなった。実力は誰もが認める横綱。稽古熱心で研究熱心でもあり、誰よりも相撲を愛した。戒めの心を持ち、品格ある横綱を育てられると信じている。【佐々木隆史】