大相撲の小結高安(31=田子ノ浦)が、先月30日に現役引退した間垣親方(元横綱白鵬)との対戦経験を糧に、番付を上げることを誓った。

26日、東京・両国国技館内の相撲教習所で九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)に向けた合同稽古の2日目に参加して、関取衆を相手に計15番相撲を取った。稽古後、代表取材に応じ「勝ち負けにこだわらないで、いろんな動きに対応できるようにやりました。押し合いの稽古で、おかげさんで体が張りました」と充実感をただよわせた。

横綱照ノ富士や両大関が不在で、前日25日の初日に参加した関脇御嶽海もこの日は欠席。参加した7人の関取衆では最高位だっただけに「だらけるとけがしますから、緊張感を持って厳しい稽古ができた」と、稽古場で霧馬山や阿武咲ら若手を引っ張った。

来場所以降は横綱白鵬のしこ名が番付から消える。「幕内に入ってから、横綱を倒すってのが1つの目標。常に白鵬関が上に立っていた。毎場所、倒さなきゃいけないって気持ちで研究もしましたし、稽古もしましたし、そこに目標があった。目標をくれた方だったので、本当に感謝していますし、自分もまだまだ頑張らなきゃという気持ちが強くなりました」。

不戦敗を除くと通算2勝20敗。常に高い壁だった。「自分なりに研究してやりましたけど、1つも2つも作戦や動きが上をいっていたので、なかなか倒すことができなかった。それでも勝てた相撲は鮮明にいまでも記憶に残っていますし、力になる一番一番だったと思います」。

来年2月には32歳となり、ベテランの域に入る。秋場所はケガによる途中休場もあって4勝8敗3休に終わり、来場所は平幕からの再出発。19年九州場所以来の大関復帰を目指す31歳は「まだまだ若手もたくさんいますし、自分も(今後)10年も相撲とれないですから、燃え尽きるまでまだ上を目指してやりたい。大横綱(白鵬)と同じ時代に相撲を取れたということは自分の相撲人生の1つの糧。まだまだ頑張って、経験を生かしてやりたい」と力を込めた。