全勝の横綱、大関を1差で追う関脇御嶽海(28=出羽海)と返り入幕の阿炎(27=錣山)が、ともに勝って8勝目。勝ち越しを決め優勝争いで1差のまま、上位陣をピタリと追走する。

この両力士を、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)も評価した。関脇同士の対戦で明生(26=立浪)に押し勝った御嶽海について「(ここまで)勝っているだけに粘り強かった。精神的に粘り強く行った」と、まずは精神面を褒めた。これまでのように、優勝争いに加わらない状況の御嶽海なら「何回も引いて、そのまま(負ける)、引いたところで力を抜いていただろう」とし、この日は2度、引く場面があったが「持ち直した。気力がある証拠」。優勝2回の実力者に対し「いい時は力を出すタイプ。そこに期待したい。絶対に勝つんだという気持ちでしょう」と今後のキーポイントを挙げた。

千代大龍(33=九重)に対し、もろ手で当たり、アゴを上げてからつっかえ棒を外すように引き落とした阿炎に対しても「よく前に出ている。以前なら(押しても)駄目なら引こうという、気持ちが弱い感じがしたけど、今場所は『絶対に押し勝つんだ』という気持ちの強さがある」と評価していた。