幕内後半戦の審判長を務めた伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が、新横綱場所から2場所優勝を果たした弟子の横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)について「十分に責任を果たしてる。本人も研究している」と称賛した。

照ノ富士は1敗で追走する平幕の阿炎(27=錣山)との直接対決を制して、初日から無傷の14連勝。14年の白鵬以来となる年間4回目(白鵬は5回)の優勝で、年6場所制が定着した1958年以降、新横綱場所からの連覇は62年初場所の大鵬以来59年ぶり2人目という快挙を成し遂げた。

優勝が懸かった一番は阿炎に攻め込まれる場面もあったが、土俵際で勢いを止めて肩透かし気味に逆襲。押し倒しで好調の平幕を下した。

審判長として土俵下で取組を見守った伊勢ケ浜親方は「慌てていなかったね。よく相手を見て相撲を取っていた」と、照ノ富士の落ち着きを評価した。千秋楽の大関貴景勝戦は、照ノ富士自身初の全勝優勝が懸かっているだけに「気合を入れてくれるでしょう。最後に自分の相撲を取り切ってほしい」と期待した。

一方で初優勝を逃した返り入幕の阿炎についても言及。「しっかり稽古していたんでしょう。体もできあがっていた。見れば分かりますよ」と成長を感じていた。最高位小結の実力者だが、昨年7月場所前などに日本相撲協会が定める新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、出場停止処分を受けて一時は幕下まで陥落した。それだけに同親方は「立場上、頑張らないといけないでしょう。しっかりと反省をして相撲に打ち込んでいけばいい。これからも反省しながら、この調子で頑張っていけばいいんじゃない」と話した。