14日目に2場所連続6度目の優勝を決めた横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、初の全勝優勝を決めた。

結びで大関貴景勝を下して、1年納めの場所を締めくくった。全勝優勝は今年7月の名古屋場所の白鵬(現間垣親方)以来で、優勝制度ができた1909(明治42)年以降、史上40人目。平成以降では武蔵丸、貴ノ花、朝青龍、白鵬、日馬富士、豪栄道に続いて7人目となった(しこ名は当時)。

照ノ富士は14日目に1敗で追走する平幕の阿炎との直接対決を制し、初日から無傷の14連勝として優勝を決めた。全勝優勝が懸かる千秋楽に向けて、前日のリモート取材では「そう簡単にできることではないが、自分も1回もないこと。できるうちにチャンスがあればつかんでいきたい」と話しており、宣言通りチャンスをつかみ取った。

年間4度目の優勝は、5度制した14年の白鵬以来。年6場所制が定着した1958年以降、新横綱場所からの連覇は62年初場所の大鵬以来59年ぶり2人目だった。


八角理事長(右)から賜杯を授与される照ノ富士(撮影・岩下翔太)
八角理事長(右)から賜杯を授与される照ノ富士(撮影・岩下翔太)

取組速報


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<14日の結果>

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幕内

詰め掛けた大勢の観客の前で横綱土俵入りを披露する照ノ富士(撮影・小沢裕)
詰め掛けた大勢の観客の前で横綱土俵入りを披露する照ノ富士(撮影・小沢裕)

栃ノ心(6勝6敗3休)下手ひねり照強(7勝8敗)

★栃ノ心「最初の休場が大きかったですね。初日から出ていたらもう少し勝てたかもしれない。腰を治して来場所、初日から最後まで相撲とれるようにしたい」

照強は栃ノ心(手前)を下手ひねりで破る(撮影・岩下翔太)
照強は栃ノ心(手前)を下手ひねりで破る(撮影・岩下翔太)

琴ノ若(6勝9敗)寄り切り(5勝10敗)

★琴ノ若「自分の足りないところ、力不足を感じた。来場所はしっかり準備して攻める相撲を心がけたい。けがもあったが、それは自分の問題。それは言い訳にしたくない。自分で受け止めてやっていきたい」

琴ノ若(右)を寄り切りで破る輝(撮影・屋方直哉)
琴ノ若(右)を寄り切りで破る輝(撮影・屋方直哉)

千代大龍(6勝9敗)とったり佐田の海(9勝6敗)

★千代大龍「千秋楽なんで相撲の話はやめましょう。(1年を振り返り)2月に新しい部屋ができて墨田区民から葛飾区民になった。師匠が新しい部屋を作って稽古環境を整えてくれたが負け越した方が多かった。幕内にいれたこと、大けがをしなかったことが大きい」

千代大龍(手前)をとったりで破る佐田の海(撮影・屋方直哉)
千代大龍(手前)をとったりで破る佐田の海(撮影・屋方直哉)

千代の国(9勝6敗)突き落とし英乃海(8勝7敗)

☆千代の国「勝ててよかったです。体が動いてくれた。もっとよくなっていければと思います。(来年)いいスタートを切れるよう、しっかり頑張ります」

英乃海(左)を突き落としで破る千代の国(撮影・屋方直哉)
英乃海(左)を突き落としで破る千代の国(撮影・屋方直哉)

碧山(4勝11敗)押し出し天空海(9勝6敗)
碧山(右)を押し出しで破る天空海(撮影・屋方直哉)
碧山(右)を押し出しで破る天空海(撮影・屋方直哉)

琴恵光(3勝12敗)はたき込み豊山(7勝8敗)
豊山は琴恵光(手前)をはたき込みで破る(撮影・岩下翔太)
豊山は琴恵光(手前)をはたき込みで破る(撮影・岩下翔太)

北勝富士(11勝4敗)寄り切り千代翔馬(8勝7敗)

☆北勝富士(11勝目に)番付を落とした分、少しは元いた地位に近づけたかなと思います。上位と下位の違いを肌で感じた。同じ幕内でも世界が違う感じがした」

千代翔馬(左)を寄り切りで破る北勝富士(撮影・屋方直哉)
千代翔馬(左)を寄り切りで破る北勝富士(撮影・屋方直哉)

宇良(10勝5敗)上手投げ千代丸(8勝7敗)

★宇良(初の技能賞も白星で飾れず)最後は残念でした。技能賞はうれしいですね」

宇良(左)を上手投げで破る千代丸(撮影・屋方直哉)
宇良(左)を上手投げで破る千代丸(撮影・屋方直哉)
宇良(左)を上手投げで破る千代丸(撮影・屋方直哉)
宇良(左)を上手投げで破る千代丸(撮影・屋方直哉)
宇良(下)は千代丸に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)
宇良(下)は千代丸に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)

志摩ノ海(5勝10敗)寄り切り松鳳山(4勝11敗)

★志摩ノ海「いいときと悪いときの差が激しすぎるんで、そこは修正していきたい。来場所もしっかり頑張ります」

志摩ノ海(右)を寄り切りで破る松鳳山(撮影・屋方直哉)
志摩ノ海(右)を寄り切りで破る松鳳山(撮影・屋方直哉)
松鳳山(左)は顔面血だらけになりながら志摩ノ海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
松鳳山(左)は顔面血だらけになりながら志摩ノ海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

魁聖(7勝8敗)送り出し遠藤(8勝7敗)

★魁聖(幕尻で負け越し)負け越しの魁聖です。自分の四つになれず、あっさりの相撲が多かった。(十両に落ちても)幕内に戻れるよう頑張ります」

遠藤は魁聖(右)を送り出しで破る(撮影・岩下翔太)
遠藤は魁聖(右)を送り出しで破る(撮影・岩下翔太)

宝富士(5勝10敗)上手投げ豊昇龍(7勝8敗)

★宝富士「上手取られると投げが強い相手なので取られたくなかったが、立ち合いの変化は考えていなかった。悔しいですね」

宝富士(左)を上手投げで破る豊昇龍(撮影・屋方直哉)
宝富士(左)を上手投げで破る豊昇龍(撮影・屋方直哉)

隠岐の海(7勝8敗)引き落とし妙義龍(2勝13敗)
妙義龍(右)を引き落としで破る隠岐の海(撮影・屋方直哉)
妙義龍(右)を引き落としで破る隠岐の海(撮影・屋方直哉)

阿炎(12勝3敗)押し出し隆の勝(11勝4敗)

★阿炎「勝って締めたかったというか、自分の相撲が取れずに終わった。次への課題が見つかった。隆の勝関の立ち合いが良かった。(敢闘賞は)部屋にいるときに聞きました。うれしいです。(来年に向けて)今場所新たに見つかった自分の課題に向かって、相撲自体を良くしていきたい。もっと鋭い立ち会いができれば、もっと勝ち星を伸ばせたと思う。突き詰めるところはたくさんある」

阿炎(右)は隆の勝に押し出しで敗れる(撮影・小沢裕)
阿炎(右)は隆の勝に押し出しで敗れる(撮影・小沢裕)

阿武咲(5勝10敗)はたき込み高安(6勝9敗)
阿武咲(手前)を叩き込みで破る高安(撮影・屋方直哉)
阿武咲(手前)を叩き込みで破る高安(撮影・屋方直哉)
阿武咲(手前)を叩き込みで破る高安(撮影・屋方直哉)
阿武咲(手前)を叩き込みで破る高安(撮影・屋方直哉)
高安(左)は阿武咲をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)
高安(左)は阿武咲をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

翔猿(7勝8敗)押し出し若隆景(8勝7敗)
若隆景(左)は翔猿を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
若隆景(左)は翔猿を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

大栄翔(8勝7敗)はたき込み石浦(7勝8敗)

☆大栄翔「前半は内容が良かったけど、後半はボロボロでがたがただった。勝ち越せたことにはホッとしているけど、内容が伴っていない。もっと稽古しなくちゃいけない。全体的に足が出ていなかった。稽古場から直していきたい。(三役復帰が濃厚)可能性はあると思うので、戻れるならしっかり稽古してどんどん上を目指していきたい」

石浦(右)を叩き込みで破る大栄翔(撮影・屋方直哉)
石浦(右)を叩き込みで破る大栄翔(撮影・屋方直哉)

玉鷲(9勝6敗)寄り切り霧馬山(5勝10敗)
霧馬山は玉鷲(左)を寄り切りで破る(撮影・岩下翔太)
霧馬山は玉鷲(左)を寄り切りで破る(撮影・岩下翔太)

逸ノ城(5勝10敗)押し出し明生(7勝8敗)
逸ノ城(右)を押し出しで破る明生(撮影・屋方直哉)
逸ノ城(右)を押し出しで破る明生(撮影・屋方直哉)

正代(9勝6敗)押し出し御嶽海(11勝4敗)
正代(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・屋方直哉)
正代(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・屋方直哉)

照ノ富士(15勝0敗)押し出し貴景勝(12勝3敗)
照ノ富士(右)を攻める貴景勝(撮影・岩下翔太)
照ノ富士(右)を攻める貴景勝(撮影・岩下翔太)
互いに動きをうかがう照ノ富士(左)と貴景勝(撮影・岩下翔太)
互いに動きをうかがう照ノ富士(左)と貴景勝(撮影・岩下翔太)
貴景勝(右)を押し出しで破り、全勝優勝を決めた照ノ富士(撮影・屋方直哉)
貴景勝(右)を押し出しで破り、全勝優勝を決めた照ノ富士(撮影・屋方直哉)
優勝インタビューで笑顔を見せる照ノ富士(撮影・岩下翔太)
優勝インタビューで笑顔を見せる照ノ富士(撮影・岩下翔太)