横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、6度目の優勝を自身初の全勝で成し遂げた。大関貴景勝(25=常盤山)の強烈な押しにも、相手をよく見て受けて取る、貫禄の横綱相撲。相手のお株を奪うように、最後は押し出して15個目の白星を挙げた。

連日、横綱の盤石ぶりを評価していた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、あらためて「一人横綱で大変だったけど全勝優勝。よくやってくれた」と褒めた。この日の冷静な取り口については「昨日の優勝(決定)が大きい。余裕があるから(相手を)見て行けた」と分析し「今後、貴景勝が(照ノ富士に)一矢報いるには、前に出る圧力だろう。照ノ富士は(貴景勝に)相撲を取らすだけ取らせていた」と、その力の差を認めた。

今年1月の初場所は関脇だった。それが返り三役3場所で大関に復帰し、その大関も2場所で通過し、新横綱に。4度の優勝に77勝13敗と圧倒的な力を見せつけた1年を「よく膝を治して戻ってきたし、横綱に上がってからも立派だった」と、その労をねぎらった。