3場所連続の優勝を目指す横綱照ノ富士が白星発進した。昨年2敗を喫した小結大栄翔の猛攻をしのいではたき込み。

昨年は6場所中4場所を制して、同年11月の九州場所では自身初の全勝優勝。新横綱から3場所連続優勝なら1919年(大正8)夏場所の栃木山以来で、103年ぶりの快挙に挑む。

貴景勝と正代の両大関も、新年最初の一番を白星で飾った。貴景勝は若隆景を一蹴。立ち合いから馬力満点の当たりで押し出した。正代は霧馬山にもろ差しを許して劣勢だったが、土俵際で逆転の小手投げを決めて何とか白星を拾った。

先場所11勝で大関とりの足固めにしたい関脇御嶽海は、同期入門で人気業師の宇良を退けた。 新入幕2人はともに快勝を収めた。元横綱大鵬を祖父に持つ王鵬は、三役経験者の魁聖を一方的に押し出し。若元春は一山本を寄り切って幕内1勝を手にした。

初日の取り組み模様を写真で振り返ります。

大相撲秋場所 全取組結果

【初場所展望】照ノ富士が「V候補の1番手」御嶽海、宇良に期待/尾車親方



剣翔寄り切り栃ノ心
剣翔(右)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)
剣翔(右)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる栃ノ心(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる栃ノ心(撮影・鈴木正人)

栃ノ心 初日はよかったですね。(立ち合い)当たれるよう意識している。(今年の目標)できるだけ長く相撲をとれるよう、精いっぱいやりたいですね。

剣翔 先に上手を取りたかったけど、立ち遅れて(栃ノ心に)先に上手を取られてしまった。(締め込みを黒色に変更したことについて)新入幕の時に1場所だけつけたもの。再入幕だけど新入幕の気持ちで土俵に上がれるようにと。


千代丸引き落とし琴ノ若
琴ノ若(右)は引き落としで千代丸を破る(撮影・小沢裕)
琴ノ若(右)は引き落としで千代丸を破る(撮影・小沢裕)
千代丸を引き落としで破った琴ノ若(撮影・丹羽敏通)
千代丸を引き落としで破った琴ノ若(撮影・丹羽敏通)

☆琴ノ若 (体が)泳ぎましたけど、その後しっかり対応できたと思う。気持ちの面でもよかったと思うし、これを続けていかないといけない。

琴ノ若 (体が)泳ぎましたけど、その後しっかり対応できたと思う。気持ちの面でもよかったと思うし、これを続けていかないといけない。


豊山突き出し千代大龍
千代大龍(右)を突き出しで破る豊山(撮影・鈴木正人)
千代大龍(右)を突き出しで破る豊山(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる豊山(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる豊山(撮影・鈴木正人)

豊山 先手先手で動けてよかった。初日にしてはよかったと思います。大関(正代)とも年明け前から稽古していたので体の調子はいいです。上位に戻るための足がかりを作りたいと思います。


妙義龍押し出し志摩ノ海
妙義龍(左)は志摩ノ海を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
妙義龍(左)は志摩ノ海を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
志摩ノ海(左)を押し出しで破る妙義龍(撮影・鈴木正人)
志摩ノ海(左)を押し出しで破る妙義龍(撮影・鈴木正人)

千代の国寄り切り翔猿
千代の国(右)を寄り切りで破る翔猿(撮影・鈴木正人)
千代の国(右)を寄り切りで破る翔猿(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる翔猿(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる翔猿(撮影・鈴木正人)

翔猿 よかったです。体動いてます。我慢というより詰めていこうと思って。調子いい感じです、久しぶりに。昨年は活躍できなかったんで今年は上位で頑張っていきたい。


宝富士押し出し阿炎
宝富士(手前)を攻める阿炎(撮影・鈴木正人)
宝富士(手前)を攻める阿炎(撮影・鈴木正人)
宝富士(左)を攻める阿炎(撮影・鈴木正人)
宝富士(左)を攻める阿炎(撮影・鈴木正人)

阿炎 前に出られましたし、相手の得意な相撲をとらせなかったのでよかったと思います。師匠(元関脇寺尾の錣山親方)からは「勝っても負けても思い切りとれ」と言ってもらいました。(今年の目標)見ている人に認めてもらえるように努力を重ねる1年にしたい。


豊昇龍外掛け千代翔馬
千代翔馬(右)を外掛けで破る豊昇龍(撮影・鈴木正人)
千代翔馬(右)を外掛けで破る豊昇龍(撮影・鈴木正人)
千代翔馬(右)を外掛けで破った豊昇龍(撮影・鈴木正人)
千代翔馬(右)を外掛けで破った豊昇龍(撮影・鈴木正人)

阿武咲叩き込み北勝富士
北勝富士(右)をはたき込みで破る阿武咲(撮影・鈴木正人)
北勝富士(右)をはたき込みで破る阿武咲(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる阿武咲(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる阿武咲(撮影・鈴木正人)

阿武咲 2、3発突いたときに相手も下を向いていたので(はたきを)食うなと思った。終始落ち着いていけた。初日にしては変な緊張感なく取れた。

北勝富士 しっかり当たれてよかったが、その後足が出なかった。圧力はできているんで、あとは足が出るよう修正したい。明日につながる相撲だと思う。


隠岐の海送り出し遠藤
遠藤(左)は隠岐の海を送り出しで破る(撮影・小沢裕)
遠藤(左)は隠岐の海を送り出しで破る(撮影・小沢裕)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる遠藤(撮影・鈴木正人)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる遠藤(撮影・鈴木正人)

明生押し出し玉鷲
明生(右)を押し出しで破った玉鷲(撮影・鈴木正人)
明生(右)を押し出しで破った玉鷲(撮影・鈴木正人)
明生を押し出しで破った玉鷲(撮影・丹羽敏通)
明生を押し出しで破った玉鷲(撮影・丹羽敏通)

玉鷲 自分の相撲がとれました。止まったら向こうが有利になる。攻めていってよかった。(今年の目標)若手に負けない、元気いい相撲をとりたい。


逸ノ城寄り切り隆の勝
懸賞金を手に土俵を引き揚げる逸ノ城(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる逸ノ城(撮影・鈴木正人)
隆の勝(手前)を寄り切りで破る逸ノ城(撮影・鈴木正人)
隆の勝(手前)を寄り切りで破る逸ノ城(撮影・鈴木正人)

隆の勝 流れはよかったが止まってしまったのが問題。(逸ノ城に)つかまってしまって逃げられなくなった。動いて動いてじゃないと、あの大きな相手にはダメでしたね。


御嶽海押し出し宇良
御嶽海(右)は宇良を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
御嶽海(右)は宇良を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる御嶽海(撮影・鈴木正人)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる御嶽海(撮影・鈴木正人)

御嶽海 良かったと思います。自分の相撲を取るしかないと思っていた。動揺しないように、自分の相撲を取ることだけ意識していた。自分の目標は2桁。期待に応えたい。

宇良 (同期の御嶽海との対戦)なんかさらに実力をつけられましたね。元々実力差があったのに、すごい差を感じた。これが相撲の基本なんだと感じました。逆に新年いいスタートを切った気持ち。力を出し切れるよう頑張りたい。


霧馬山小手投げ正代
霧馬山(手前)を攻める正代(撮影・鈴木正人)
霧馬山(手前)を攻める正代(撮影・鈴木正人)
霧馬山(左)を小手投げで破った正代(撮影・鈴木正人)
霧馬山(左)を小手投げで破った正代(撮影・鈴木正人)

正代 (霧馬山にもろ差しを許すピンチから逆転)流れはよかったが、土俵際に押し込むと同時に自分の体も起きてしまった。白星で始まったのはいいと思うが内容的には…。土俵際、落ち着いて寄り切れるようにしたい。


貴景勝押し出し若隆景
若隆景を押し出しで破った貴景勝(撮影・丹羽敏通)
若隆景を押し出しで破った貴景勝(撮影・丹羽敏通)
若隆景(左)を土俵際へ攻め込む貴景勝(撮影・小沢裕)
若隆景(左)を土俵際へ攻め込む貴景勝(撮影・小沢裕)

若隆景 (大関貴景勝に完敗で)切り替えて明日からしっかりやっていきたいです。(今年の目標)三役にまた戻って、定着できるようにしたい。


照ノ富士叩き込み大栄翔
照ノ富士(左)ははたき込みで大栄翔を破る(撮影・小沢裕)
照ノ富士(左)ははたき込みで大栄翔を破る(撮影・小沢裕)
大栄翔(左)の攻めを耐える照ノ富士(撮影・鈴木正人)
大栄翔(左)の攻めを耐える照ノ富士(撮影・鈴木正人)

照ノ富士 大栄翔の猛攻をしのいで白星発進した。立ち合いから何発もの突き押しをくらい、片足一本で耐える場面があったが崩れなかった。土俵際を背にしながらも、はたき込みを決めて「落ち着いてやろうと思っていた」と冷静だった。自身初の3場所連続優勝に向けて「一生懸命やるだけ」と短い言葉に力を込めた。

大栄翔 (横綱照ノ富士に大善戦も逆転負け)自分の相撲はできたがまだまだ。勝てなかったです。最後に差してしまったのがすべて。もろ差しだろうが、差したらかなわない。押し相撲でいかないといけない。そこが自分の弱いところ。