関脇御嶽海(29=出羽海)が、横綱照ノ富士を破り13勝2敗とし、19年秋場所以来3度目の優勝を決めた。

    ◇    ◇    ◇

【一覧】初場所星取表はコチラ

周囲からはしばしば「もっと稽古をしろ」と口酸っぱく言われ続けてきた御嶽海。確かに、出稽古に行っても熱心に数十番取るわけでもなく、淡々と稽古をこなすタイプ。マイペースを貫くのには、力士としての1つの理想像がある。

「1場所で15日間。1年で6場所相撲を取ることを考えたら押し相撲はいい」と話す。小学時代に相撲を始めた時から、押し相撲に徹してきた。まわしを取る相撲を試みた時もあったというが「すぐに突き指をしたりしてケガが絶えなかった。だからやめた」という。また、がっぷり組み合う時もある四つ相撲に比べると、押し相撲の方が勝負が決するのが早い。「15日間戦うのにはかなりの体力が必要。最後まで戦い抜くため、そして1場所でも長く相撲を取るために」と押し相撲に徹してきた。

稽古量の少なさから「稽古嫌い」と言われるが、本人は万全の状態で本土俵に上がるため、長く力士人生を続けることを考えてのスタイルだ。【佐々木隆史】