横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)は、結びの直接対決に敗れて103年ぶりの快挙を逃した。

勝てば優勝決定ともえ戦にもつれ込んだ関脇御嶽海との一番。7連勝中の相手だったが、左おっつけで出足を止められると、もろ差しを許して力なく寄り切られた。横綱3場所目は11勝4敗。新横綱から3場所連続優勝なら1919年の栃木山以来だったが、わずかに届かなかった。

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初の全勝優勝を果たした昨年11月の九州場所とは打って変わり、試練が続いた15日間だった。6日目の玉鷲戦で初黒星を喫し、先々場所から続いていた連勝が「23」でストップ。2敗目を喫した12日目の明生戦では、取組後の土俵下で脚を気にする場面もあった。連敗は免れたが、金星を許した14日目の阿炎戦でも、取組後の土俵下で脚を気にするそぶりを見せた。

古傷の状態を含めて、疲労が懸念された終盤戦。部屋付きで兄弟子の安治川親方(元関脇安美錦)は「疲れはたまってくるだろうけど、本人は痛いとは言わないでしょう」と、日々の稽古場での姿を説明する。優勝に向けて、1日で最低でも3番以上取ることが求められた千秋楽。7度目の優勝を果たすことはできなかったが、横綱として15日間を全うした。