大関御嶽海が誕生し、周囲もさらなる躍進を期待している。日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で大相撲春場所の番付編成会議と臨時理事会を開催し、初場所で3度目の優勝を果たした関脇御嶽海(29=出羽海)の大関昇進を全会一致で承認。協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「自分の持ち味を生かした前に出る相撲で、安定した力を見せてくれた。大関になり、期待と重圧が今まで以上に大きくなると思うが、それに打ち勝ち、これからも自分らしい相撲をとり続けてほしい。立派な大関になってくれることを期待している」とエールを送った。

東京・墨田区の出羽海部屋で昇進伝達式に臨んだ御嶽海は、協会から送られた使者から昇進が全会一致で決まったことを伝えられると「謹んでお受けいたします。大関の地位を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道にまい進してまいります」と口上を述べた。使者を務めた同じ出羽海一門の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は「(一門として)待ちに待ったというのがありますから、そういう点では協会としても期待は大変大きい。もちろん、ここで終わるわけではなく、早くまた横綱昇進を期待したい。(相撲は)うまいし、センスも感じられる。そういう意味では期待ができる。一時の勢いではなく、実力のある大関ですから」と大きな期待を寄せた。

出羽海部屋で部屋付きの中立親方(元小結小城錦)は、今後の課題を指摘した。「立ち合いで捕まらなければ自分の流れで取れる。出足を止められるとちょっともろいところがある。相手もより考えてくるから、どんなことをやられても動じないようにしないと」。一方で「余計なことはせず、普通に大関としてやってくれれば、普通に成績は残すと思う」と活躍を予感した。

長野県出身の大関誕生は江戸時代の1795年、「伝説の力士」とされた雷電以来。御嶽海は初場所で13勝2敗の成績を残した。