4日間の日程で行われる大相撲の関取衆による合同稽古が21日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まった。来月の大相撲夏場所(5月8日初日、両国国技館)に向けて、新十両を決めている栃丸(春日野)を含む関取衆16人が参加して、約1時間の申し合い稽古などで汗を流した。

春場所で優勝決定戦まで進みながら、関脇若隆景に敗れ悲願の初優勝を逃した高安(32=田子ノ浦)も参加し玉鷲、阿武咲、霧馬山らと12番(10勝2敗)取った。「精力的に番数をこなして、まずは体力づくりが目的だった」と狙いを明かした。コロナ禍の影響を受け、合同稽古は昨年12月以来で今年になって初めての開催。何とか実施にこぎつけたことに「場所前に、こうして(実施できて)ありがたいです。出来るだけ(4日間とも)参加して体力をつけたいと思う」と、関取衆不在の部屋では得られない感覚を、関取衆との稽古で体に染み込ませるつもりだ。

春場所は初日から10連勝で優勝争いをけん引。だが、大関時代にも勝ち取れなかった優勝を目前にしながら、終盤に失速。12勝3敗で迎えた優勝決定戦も、最後の詰めを欠き賜杯を逃した。それでも後押ししてくれたファンや関係者へ感謝の思いを込めて「優勝は出来なかったけど、たくさんの人から激励の言葉をいただいた。まだまだ頑張れるというのは示せたので、裏切らないように、もっと頑張っていきたいですね」と話した。

東前頭7枚目だった春場所から、夏場所は上位総当たりへの番付アップは確実。「前向きに自信を付けて、場所を盛り上げられるように精進したい。千秋楽まで優勝争いに絡むことが目標です」と明確に目標を定めた。春場所からここまで、そして夏場所に向けて「ケガをしない体作りを目指して5月場所で15日間、万全な形で相撲を取れるようにコツコツと頑張っています」と現状を自己分析。最後に夏場所に向けて「15日間、見に来てくださる方々、応援してくれる方々に喜んでもらえるのが一番なので、そういった相撲を全力で取っていきたいです」と抱負を語った。