西前頭12枚目の佐田の海(境川)が、幕内下位から混戦場所の主役に名乗りを上げる。勝ちっ放しの碧山に土をつけて1敗をキープした。相手の突きを我慢強く下からあてがい、182キロの巨漢を引かせた。「相手も好調だけど、自分も5勝1敗で好調だと思っていたので気にならなかった」と胸を張った。碧山と並んで先頭で中日を迎える。

好調の要因は、稽古で培った「足の裏」の感覚にある。「立っているだけで、足の裏全体で土俵をつかむというより、包んでくれている感覚。『親指に力を入れて相撲を取れ』と入門したときから言われていることだが、よりよい感覚が今つかめている。すごく(土俵に)なじんでいる」。

元小結佐田の海の父宏司さんを持つ2世力士。最高位は西前頭筆頭で三役経験はないが、差し身のうまさを武器に幕内通算在位は40場所。11日に35歳の誕生日を迎えたベテランは、新境地を切り開いている。

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