大関経験者で西三段目22枚目朝乃山(28=高砂)の圧巻の強さに、対戦相手も舌を巻いた。寄り切りで敗れた東三段目22枚目剛士丸(25=武蔵川)は「めっちゃ強かったす。向かい合った時に一番圧(力)みたいなのを感じた。今まで感じたことないほどでした」と驚きを交えて振り返った。

師匠の武蔵川親方(元横綱武蔵丸)からは思い切って当たれとアドバイスを受け、朝乃山の得意な右四つを封じ、逆に左上手を取ろうと戦略を練った。ただ、いざ実際に向かい合ってみると、想像以上の圧に押された。上手もうまく取れず、寄り切りで敗れた。「思いっきり当たろうと思ったけど、ビビっちゃかもしれない」とため息が漏れた。

「(番付で)東西(同じ枚数)だから来るだろうなと思っていた」と準備はしていたつもりだが、「一番緊張しましたね」と注目の一番を終えた心境を率直に明かした。それでも「実際に声援を受けて相撲を取る機会が初めてだったので、良い経験になりました」と目標にする勝ち越しを狙って気持ちを切り替えた。