稽古相手不在の1人部屋から新入幕を果たした東前頭16枚目水戸龍(28=錦戸)が、西前頭15枚目剣翔(31=追手風)を寄り切りで下した。

立ち合いから右四つ、左上手の得意の型に持ち込み、勝機をつかんだ。「ちょっと危なかったけど、いつも通りやれて良かった」と、白星発進に表情を緩ませた。

所属する錦戸部屋には稽古相手がいない。出稽古期間を除けば、相撲を取らずに基礎運動で本場所に備えてきた。場所前には長年抱える腰の不安や1人で稽古を続けることへの寂しさを口にしていたが、土俵に立てば弱みを見せず果敢に攻めの姿勢を崩さない。記念すべき幕内初白星。「自分らしい相撲を続けたい」と気を緩めず土俵に向かう。

 

◆水戸龍聖之(みとりゅう・たかゆき)本名・バーサンスレン・トゥルボルド。1994(平6)年4月25日、モンゴル・ウランバートル生まれ。2010年に照ノ富士、逸ノ城らとともに鳥取城北高に相撲留学し、日大を経て17年に錦戸部屋に入門。同年夏場所で幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏み、18年初場所で新十両。十両昇進から約4年半で今場所新入幕を果たす。190センチ、197キロ。得意は右四つ、寄り。趣味はダーツ、ビリヤード。