横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、両膝の状態が悪化したことで10日目から休場した。

幕内力士の土俵入り後、いつもはすぐに行う横綱土俵入りも「本日より横綱照ノ富士休場により、横綱土俵入りはありません」のアナウンスが流れると、館内に落胆のため息が漏れた。

報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「膝が悪そうだったのを我慢していた。何とか土俵を務めようという気持ちはあっても、体がついていかなかった」と協会の看板力士としての責任感と、無念さを察するように話した。

その膝のケガなどで序二段まで番付を落としながら、奇跡的な復活劇で横綱まで上り詰めた照ノ富士の気丈さを感じながら、同理事長は言葉を続けた。「もう1回、膝を治すこと。下まで落ちてここまで上がって根性はあると思う。膝を治す繰り返しで大変だと思うが、もう1度、やり直してほしい。精神力が強い人でないと横綱にはなれない」と復帰を願っていた。

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