現役関取最年長、37歳の玉鷲が北勝富士との「1敗対決」を制し、単独トップに立った。

立ち合い、北勝富士が左前まわしも玉鷲はかまわず突き放し、力強い左のど輪で押し出した。19年初場所の初優勝以来、2度目の優勝が現実味を帯びてきた。

東前頭10枚目錦富士はうまい相撲で千代翔馬を寄り切り、2敗を守った。東前頭筆頭の翔猿は宇良に勝って勝ち越し。関脇若隆景は3連敗からの8連勝で勝ち越しを決めた。

かど番の大関御嶽海は過去2勝0敗の佐田の海に突き落とされて負け越し。大関からの陥落が決まった。今年春場所で新大関に昇進。在位わずか4場所で来場所、関脇で出直し2桁勝利での大関復帰を目指す。

大関正代は若元春を突き落とし、2日目からの連敗を9で止めた。


11日目の取組の模様を写真とコメントで振り返ります。

大相撲秋場所 全取組結果


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平戸海(5勝6敗)寄り切り王鵬(7勝4敗)

☆平戸海 師匠(九州場所担当部長の境川親方)に電話で「立ち合いしっかり当たれ」と言われたので。そこだけ意識した。前みつ離さず、低く相撲がとれたのでよかった。まだ負けが先行している。今日から流れに乗っていきたい。

王鵬(後方)は寄り切りで平戸海に敗れる(撮影・宮地輝)
王鵬(後方)は寄り切りで平戸海に敗れる(撮影・宮地輝)

琴勝峰(6勝5敗)突き出し照強(5勝6敗)

☆琴勝峰 中に入れないことと引かないことを意識していきました。(白星先行に)1日一番集中していきたいです。

豪快に塩をまく照強(撮影・中島郁夫)
豪快に塩をまく照強(撮影・中島郁夫)
照強(左)を突き出しで破る琴勝峰(撮影・中島郁夫)
照強(左)を突き出しで破る琴勝峰(撮影・中島郁夫)

一山本(5勝6敗)はたき込み隆の勝(7勝4敗)

★一山本 相手立ち合い強いんで。負けないようしっかり当たりにいきました。当たりはよかったけど、押し負けないよう下を見すぎてしまった。(残り4日)疲れもたまってきているんでしっかり寝て、勝ち越せるよう頑張りたい。

一山本(右)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・中島郁夫)
一山本(右)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・中島郁夫)

錦富士(9勝2敗)寄り切り千代翔馬(7勝4敗)

☆錦富士 投げが強かったり、突っ張ってはたいたり、いろいろしてくるうまい力士。ほんろうされないよう、立ち合い当たって自分の相撲をとろうと思いました。(9勝目に)明日勝って2桁に乗せたいという思いです。

千代翔馬(右)を寄り切りで破る錦富士(撮影・中島郁夫)
千代翔馬(右)を寄り切りで破る錦富士(撮影・中島郁夫)

水戸龍(4勝7敗)押し出し琴恵光(5勝6敗)
琴恵光(右)は押し出しで水戸龍を破る(撮影・宮地輝)
琴恵光(右)は押し出しで水戸龍を破る(撮影・宮地輝)

栃ノ心(4勝7敗)寄り切り竜電(7勝4敗)
栃ノ心(左)を寄り切りで破る竜電(撮影・中島郁夫)
栃ノ心(左)を寄り切りで破る竜電(撮影・中島郁夫)

剣翔(3勝8敗)はたき込み阿武咲(4勝7敗)

☆剣翔 (流れは)決めてました。何かして流れを変えたかったというのと思い切りやろうと。白星につながってよかったです。あまりいい相撲ではないが、勝つにこしたことはないので。残り4日、吹っ切れて相撲をとりたい。

阿武咲(手前)をはたき込みで破る剣翔(撮影・中島郁夫)
阿武咲(手前)をはたき込みで破る剣翔(撮影・中島郁夫)

碧山(3勝8敗)引き落とし隠岐の海(5勝6敗)
碧山(下)を引き落としで破る隠岐の海(撮影・中島郁夫)
碧山(下)を引き落としで破る隠岐の海(撮影・中島郁夫)

千代大龍(3勝8敗)押し出し遠藤(5勝6敗)
遠藤(右)は押し出しで千代大龍を破る(撮影・宮地輝)
遠藤(右)は押し出しで千代大龍を破る(撮影・宮地輝)

宝富士(3勝8敗)押し出し豊山(3勝8敗)

☆宝富士 左四つに組めたらよかったが、なかなか組ませてもらえない。自分から引かないよう、圧力をかけることができたのでよかった。今日は重い腰が生きたが、なかなかそれを生かせることができなかった。(負け越してから)開き直ってやるしかないんで。残り4日も開き直ってやりたい。

豊山(左)を押し出しで破る宝富士(撮影・中島郁夫)
豊山(左)を押し出しで破る宝富士(撮影・中島郁夫)

妙義龍(6勝5敗)下手投げ高安(8勝3敗)
高安(手前)は下手投げで妙義龍に敗れる(撮影・宮地輝)
高安(手前)は下手投げで妙義龍に敗れる(撮影・宮地輝)

玉鷲(10勝1敗) 北勝富士(9勝2敗)

☆玉鷲 (対戦した北勝富士について)相手も大勝ちしているし、思いっきり当たっていこうと思いました。きょうは自分の相撲を取れたので良かったと思います。しっかり自分の相撲を取って、1日、1日しっかりやれば結果はついてくると思います。

★北勝富士 (前みつは)取りにいった訳ではないです。下からおっつけにいった流れでまわしがあった。思い切りいけたので、昨日のような悔いはないかなと。そこ(優勝争い)はあまり意識していない。とりあえず2桁取りにいけたらいいです。

玉鷲(左)は押し出しで北勝富士を破る(撮影・宮地輝)
玉鷲(左)は押し出しで北勝富士を破る(撮影・宮地輝)
玉鷲(左)に押し出しで敗れた北勝富士(中央)は土俵下で控える宇良に飛び込む(撮影・中島郁夫)
玉鷲(左)に押し出しで敗れた北勝富士(中央)は土俵下で控える宇良に飛び込む(撮影・中島郁夫)

翔猿(8勝3敗)下手投げ宇良(6勝5敗)

☆翔猿(勝ち越しが決まった)うれしいです。引かないようにどんどん攻めるようにいけました。勝てたのはうれしいですけど、宇良関と教習所時代から盛り上げたいということを言っていたので、勝てたのはうれしいです。(三役での勝ち越しを決めたことについて)上位でも通用するんだなと思いましたし、努力は裏切らないと思いました。これからも一番、一番集中して頑張ります。

翔猿(右)は下手投げで宇良を破る(撮影・宮地輝)
翔猿(右)は下手投げで宇良を破る(撮影・宮地輝)
翔猿(右)は下手投げで宇良を破る(撮影・宮地輝)
翔猿(右)は下手投げで宇良を破る(撮影・宮地輝)
宇良(右)を下手投げで破る翔猿(撮影・中島郁夫)
宇良(右)を下手投げで破る翔猿(撮影・中島郁夫)

明生(3勝8敗)押し出し霧馬山(6勝5敗)

☆明生 しっかり踏み込んで前に出る気持ちでした。目の前に夢中でした。また明日集中したいです。

明生(左)は押し出しで霧馬山を破る(撮影・宮地輝)
明生(左)は押し出しで霧馬山を破る(撮影・宮地輝)

琴ノ若(7勝4敗)押し出し逸ノ城(4勝7敗)

☆琴ノ若 相手の圧力と張り差しも頭に入れて、先に攻められるようにいきました。がむしゃらに攻めていたので、あんまり形にこだわっていませんでした。相手の体を確認して、しっかりいけました。(勝ち越しに王手だが)一番、一番集中します。

琴ノ若(左)は押し出しで逸ノ城を破る(撮影・宮地輝)
琴ノ若(左)は押し出しで逸ノ城を破る(撮影・宮地輝)

大栄翔(4勝7敗)引き落とし翠富士(5勝6敗)
大栄翔(左)を引き落としで破る翠富士(撮影・中島郁夫)
大栄翔(左)を引き落としで破る翠富士(撮影・中島郁夫)
翠富士(左)は引き落としで大栄翔を破る(撮影・宮地輝)
翠富士(左)は引き落としで大栄翔を破る(撮影・宮地輝)

若隆景(8勝3敗)押し出し豊昇龍(5勝6敗)

☆若隆景 下からよく攻めれたかなと思います。(初日から3連敗を喫したが、その後8連勝で勝ち越しについて)気持ちの面もそうですし、体も動いていると思います。1日一番相撲を取るだけです。

豊昇龍(右)を押し出しで破る若隆景(撮影・中島郁夫)
豊昇龍(右)を押し出しで破る若隆景(撮影・中島郁夫)

貴景勝(7勝4敗)突き落とし錦木(5勝6敗)

☆貴景勝 しっかり集中してやろうと思いました。あんまり覚えていないけど、しっかり準備していました。(連敗だったが)きょうはきょうと集中してしかできないので、明日もまた集中していきます。

貴景勝(右)は突き落としで錦木を破る(撮影・宮地輝)
貴景勝(右)は突き落としで錦木を破る(撮影・宮地輝)
錦木(左)を突き落としで破る貴景勝(撮影・中島郁夫)
錦木(左)を突き落としで破る貴景勝(撮影・中島郁夫)

佐田の海(7勝4敗)突き落とし御嶽海(3勝8敗)

☆佐田の海 思い切ってやるだけと思って、後は体に任せて押し込みました。自分の感覚としては我慢して残らなきゃという意識があった。電車道で持ってかれなかった分、そういう感覚でいけた。大関のことよりも、自分は調子が良いと思って取り組みました。前に上位だった時よりも相撲として通用している。日々の積み重ねと思って過ごしている。1分1秒でも長く相撲のことを考えている。(勝ち越し目前だが)もちろん勝ち越したいですけど、勝っても負けても自分の中で納得できるような相撲を取っていきたい。

佐田の海(右)は突き落としで御嶽海を破る(撮影・宮地輝)
佐田の海(右)は突き落としで御嶽海を破る(撮影・宮地輝)
御嶽海(右)を突き落としで破る佐田の海(撮影・中島郁夫)
御嶽海(右)を突き落としで破る佐田の海(撮影・中島郁夫)

若元春(6勝5敗)突き落とし正代(2勝9敗)

★若元春 左おっつけて差そうと思った流れでしたけど、最後の詰めが甘かった。大関相手だったので思い切っていくしかないと思っていました。悪い相撲ではなかったと思います。

若元春(右)を突き落としで破る正代(撮影・中島郁夫)
若元春(右)を突き落としで破る正代(撮影・中島郁夫)
若元春(右)を突き落としで破る正代(撮影・中島郁夫)
若元春(右)を突き落としで破る正代(撮影・中島郁夫)
若元春(左)を突き落としで破った正代(撮影・中島郁夫)
若元春(左)を突き落としで破った正代(撮影・中島郁夫)