NHKの解説を務めた元小結の舞の海秀平氏が、立ち合いの変化で勝負が決まった大関貴景勝と西前頭8枚目の北勝富士の一戦を振り返り「永遠のテーマですよね」と解説した。

貴景勝が立ち合いの変化で北勝富士をはたき込むと館内はざわついた。

舞の海氏は「館内もなにかこう、どよめいていますね。ざわついていますね」とゆっくりと話し始めた。「スポーツとか格闘技として見ると貴景勝の作戦勝ち。よくやったということなんですけれども。大相撲の歴史とか伝統の、そこから見るとですね、大関だから挑戦してくる相手を受け止めてほしいというそういう見方をする、残念に思っているファンもいるでしょうね」と、ファンの気持ちをおもんぱかった。

その一方で、勝ち越しが懸かっていた大関貴景勝の気持ちもくんだ。

同じく解説を務めていた武隈親方(元大関豪栄道)に「親方も、現役で大関だったら、立ち合い変化で決まりそうだなって思うと、そっちを選ぶでしょうね。目の前で勝つことを一番に考えるんでしょうね」と投げかけた。武隈親方が「そうですね。勝たないとすべてを失うような気持ちで相撲を取っていたので、なかなかそこは難しいところです」と答えると、少し話すテンポを上げて「わたしもこんな解説をしましたけど、もしわたしが大関で、相手がかなり勇んで突っ込んでくるなと思ったら、お客さんにひんしゅくを買ってでも、変化して勝ったかもしれないですね」と言葉を選んだ。

大坂アナウンサーから「(北勝富士は)思い切って突っ込んでいったと思います」と聞かれると、舞の海氏は「『そうきたか』と、がっかりしているんじゃないですかね。これはでも、ずっとこの先も続いていく、永遠のテーマでもありますよね」と話していた。