西前頭13枚目の王鵬(22=大嶽)が2日目から6連勝で1敗を守った。十両の英乃海を立ち合いから押し込み、はたき込んだ。

祖父の大横綱大鵬は62年前の九州場所で初優勝を飾り、優勝32回のうち7回が九州場所。孫の王鵬が本命不在の戦国場所で“下克上”を狙う。関脇豊昇龍、東前頭筆頭高安、西前頭9枚目阿炎も1敗を守った。

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2日目からの6連勝にも王鵬は浮かない表情だった。「立ち合いとかはよかったけど、もっと前に出て勝負を決めたい。しっかり自分の魅力のあるところというか、いいところを出していきたい。自分の気持ちもよくなるし、みなさん喜んでもらえると思うので」。英乃海をはたき込んでの白星に不満顔。相撲内容にこだわりが出てきた成長の証しともいえる。

九州場所といえば、祖父の大横綱大鵬だ。60年に当時の最年少記録、20歳5カ月で初優勝。九州場所で7回も賜杯を掲げた。孫の王鵬も九州場所で負け越し知らず。水が合う土地で一発を狙う。

課題は後半戦。幕内5場所目だが過去4場所で前半戦の勝率5割9分4厘に対し、後半戦は3割2分1厘と明らか。先場所も前半6勝2敗から7勝8敗と負け越しており、本人も「連勝もあるけど連敗もあるんで」と自覚する。その殻を打ち破るチャンス。「あと2番しっかり勝って勝ち越して、その後もいい相撲をとりたい」と誓った。【実藤健一】