関脇豊昇龍が1敗を守り、単独トップに立った。前日に大関復帰の可能性が消滅した関脇御嶽海との一番。立ち合いで右四つ左上手の十分の形になり、一気の出足で寄り切った。2桁10勝目で、大関とりへの足がかりを築いた。
大横綱大鵬の孫、西前頭13枚目の王鵬は阿炎に突き出されて2敗に後退。休場明けの阿炎は勝ち越しを決めた。
東前頭筆頭の高安は錦富士との「2敗対決」を制して優勝戦線に踏みとどまった。立ち合いのかち上げから激しい突き合い。最後は体をぶつけるように押し倒した。
かど番の大関正代は関脇若隆景を寄り切り、連敗を3で止めて5勝6敗とした。若隆景は5敗目で目標の2桁白星へ後がなくなった。大関貴景勝は北勝富士をはたき込んで3敗を守り、勝ち越しを決めた。
王鵬 | ● | 突き出し | ○ | 阿炎 |
熱海富士 | ● | 叩き込み | ○ | 栃ノ心 |
栃ノ心 (新入幕の熱海富士に)負けたくなかったね。でも、相撲としては負けてたね。これから強くなってくるんじゃないですか。(疲れは)場所中なんで疲れたなんて言えない。疲れには慣れてますから。
宝富士 | ○ | 突き落とし | ● | 隠岐の海 |
碧山 | ● | 押し出し | ○ | 佐田の海 |
佐田の海 たぐった後、すぐ体が反応できたのでよかったと思う。(応援が励みに)拍手多くいただけますから。励みになります。この前もあっけない相撲で申し訳ないなと。お客さんに喜んでもらえるいい相撲をとりたいと思っているので。
若元春 | ○ | 寄り切り | ● | 妙義龍 |
宇良 | ● | 上手出し投げ | ○ | 遠藤 |
逸ノ城 | ● | 送り出し | ○ | 琴ノ若 |
琴ノ若 (立ち合い右に動いたが)自分でやっているつもりはなくて、自然に体が動いたと思う。(長い相撲も)あせって勝機を逃しても仕方ないので、じっくりいきました。
高安 | ○ | 押し倒し | ● | 錦富士 |
高安 錦富士との2敗対決を制して優勝争い戦線に残った。「腰がしっかり落ちて相撲が取れた」と、いなしや引きに耐えて慌てずに対処。前に出て圧力をかけながらの突き押しで押し倒した。今年3度目の優勝争い。「今年はいい相撲が取れている。めげずに努力してきた」とひたむきな姿勢で初賜杯を狙う。
錦富士 当たりは良かったんですけど、後手後手になってしまいました。(2敗同士の一番)意識ありました。朝からしっかり勝ちにいこうと準備しました。1日1番しっかり取るだけです。
竜電 | ● | 外掛け | ○ | 霧馬山 |
霧馬山 前みつを取って相手を攻めれて良かったと思います。(物言いの時は)ちょっと緊張しました。あとちょっとなので、最後まで自分の相撲を見せたい。
玉鷲 | ● | 押し出し | ○ | 錦木 |
錦木 ちゃんと前に攻めることができましたね。一気に持っていかれないように圧力をかけていました。(対戦した玉鷲について)僕1回も勝ったことがない相手だったので、初めて勝ってうれしい部分がありました。とりあえずは(星を)五分に戻したい。
明生 | ● | 押し倒し | ○ | 大栄翔 |
大栄翔 きょうは落ち着いて攻めれたんですごく良かった。はたいて負けている相撲が何番かあったんで、前に出る意識をもっともたないといけない。(幕内で300勝目)分からなかったです。新入幕の時には考えられなかったんですけど、積み重ねてきて節目を迎えられてうれしいです。目の前の一番をしっかり積み重ねて記録になると思うので、しっかりこれからも頑張りたいです。
翔猿 | ● | すくい投げ | ○ | 翠富士 |
翠富士 結構がっちり張ってきたんでびっくりしました。待つ感じだと思ったら、バンバンときたんで辛抱しなきゃなと思っていました。(最後はすくい投げ)前に出られた結果だと思っています。よかったです。三役に勝つと自分もその力があると思えるので、頑張って早く三役に上がりたい。だいぶ疲れはたまっていますが、あと4日だけなんで頑張ります。
御嶽海 | ● | 寄り切り | ○ | 豊昇龍 |
豊昇龍 集中して自分の相撲を取りきったと思います。しっかり集中してできたので、悪くないと思います。(ただ1人の1敗について)気にしてないんで1日一番大事にしていきたいと思います。
若隆景 | ● | 寄り切り | ○ | 正代 |
正代 立ち合いが多少遅れたかなと思ったんですけど、それが逆にいい角度で入れました。その後の攻めも良かった。でも、立ち合いがちょっと硬くなっているので、そこが気になります。負けが込んできているいるんでだいぶ意識しているのかなと思います。形になってからの攻めは良かったと思うので、生かしていいけたらと思っています。(気持ちは)良いとは言えないですけど、集中を切らさないでいけるかなと思います。
貴景勝 | ○ | 叩き込み | ● | 北勝富士 |
貴景勝 通過点の勝ち越しを決めて3敗を守った。北勝富士の突進を、冷静に見極めてはたき込みを決めた。横綱不在の場所で出場力士の最高位として奮闘中で、12日目は同じく3敗の錦富士と対戦する。20年11月場所以来、3度目の優勝に向けて「しっかり準備するだけ」と短い言葉に力を込めた。