大相撲混戦時代を裏付けるような31年ぶりの“珍記録”が生まれた。

1敗で優勝争いの先頭を走る関脇豊昇龍(23=立浪)が、1差で追う平幕の王鵬(22=大嶽)に敗れ10勝2敗となった。その次の一番に臨んだ関脇若隆景(27=荒汐)は、阿炎(28=錣山)の注文相撲に敗れ6勝6敗となった。

今年は初場所の御嶽海を皮切りに、若隆景、照ノ富士、逸ノ城、玉鷲と異なる力士が優勝を飾ってきた。この5人のうち、若隆景を除く4人が既に今場所優勝の可能性が消えていた。残された若隆景は11日目を終え6勝5敗で、数字上は優勝の可能性が残されていた。だがこの日、敗れたことでトップの2敗とは4差がつき、残り3日で追いつく可能性が消えた。

これにより、九州場所も「今年初」の優勝力士が誕生することになり、年6場所全てで、異なる優勝力士が輩出されることが確定した。これは年6場所制以降で1972年、91年に続き31年ぶり3度目のこととなった。