優勝争いの生き残りをかけた3敗同士の対戦は、阿炎(28=錣山)が関脇豊昇龍(23=立浪)を、大関貴景勝(25=常盤山)が埼玉栄高の後輩にあたる平幕の王鵬(22=大嶽)を、それぞれ破り千秋楽の優勝争いに生き残った。

おはこともいえる引き技で豊昇龍を破った阿炎について、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「上(豊昇龍の上体)をポンと押しての引きは阿炎の身についたもの。余裕はなかっただろうけど、弾き方がうまい」と解説。千秋楽に臨むにあたっては「1つ差が(ビハインドで)あるから思い切って行けると思う。プレッシャーはないだろう。前にも(優勝争いは)何回かあるし経験を積んでいる。面白くなるんじゃないか」と千秋楽を期待した。

一方、貴景勝についても言及。「最初に連敗(3、4日目)した時、難しいかなと思ったけど、気持ちがしっかりしているから、ここまで来た」。千秋楽については「まず自分が勝たないことには、高安が(たとえ)負けても話にならないんだから」と前置きした上で、ここまでの奮闘ぶりを「横綱が休場して番付最上位の大関として立派に務めている。立派だ」と褒めていた。

【写真特集】高安-輝、阿炎-豊昇龍、貴景勝-王鵬、御嶽海-正代/九州場所14日目