アッと驚く下克上で、史上初の3場所連続平幕優勝が達成された。単独トップの高安(32=田子ノ浦)を1差で追っていた、西前頭9枚目の阿炎(28=錣山)が本割、そして大関貴景勝(25=常磐山)を交えた優勝決定ともえ戦でも高安、貴景勝を撃破。10日目を終え、トップの豊昇龍と王鵬に2差をつけられていた阿炎が「1日3勝」で初の賜杯を手中に収めた。

優勝決定ともえ戦の3番目に、阿炎の優勝が決定。報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、まず貴景勝の心情を察するように「貴景勝は悔しいだろうね。引こうかどうか迷って中途半端だった」と相撲内容も交えて話した。そして阿炎について言及。「(大関経験者の高安と、現大関の貴景勝と)大関に勝っての優勝は立派。この勢いで頑張ってほしい」と、三役以上の番付を見据えて成長することに期待した。

【写真特集】阿炎が初V!28年ぶり優勝決定ともえ戦制す 高安またも賜杯届かず/九州場所千秋楽