新型コロナウイルス対応ガイドラインに違反したとして、1月の初場所を出場停止となった前頭逸ノ城(29=湊)は、初戦の2回戦で琴ノ若に敗れた。もろ差しを許して寄り切られた。取組後は、随所で「親方とは話しています」や「親方に相談して決めます」などと話し、一時は関係が悪化したとされた、師匠の湊親方(元前頭湊富士)とのコミュニケーションを、継続して取っていることを強調した。

逸ノ城を巡っては、週刊誌などで湊親方夫人への暴力、アルコール依存症などが報じられていた。ただ、いずれも5年以上前の出来事として、20年11月、21年8月に無断で2度、外出したことに対する1場所、初場所のみの出場停止処分となっていた。その初場所中も「稽古はやっていました」という。ただ「ヘルニアみたいな感じ」という腰痛などがあり、この日の取組後も腰の状態は「良くない」と話した。師匠とは関係悪化も報じられたが、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けた大阪入りの時期や今後の調整について「親方に相談して決めます」と繰り返すなど、関係が悪化していることはうかがわせなかった。春場所は十両陥落を想定している様子で「1場所で(幕内に)戻りたい」と、目に力を込めて話した。