今場所の楽しみの1つだった北青鵬が、評判通りの力で3連勝です。

同じように期待していた金峰山が、まるでスーッと吸い込まれるように右四つに組まされました。金峰山に持ち味である突き押しをさせなかった要因は、204センチの長身を感じさせない北青鵬の、立ち合いの腰の低さにあります。師匠の宮城野親方に徹底されているのでしょうね。左上手の引きつけも強いし幕内下位では怖いものなしです。もっと驚かされるのは、あれだけの身長がありながら膝を使った相撲を取れることです。立ち合いで腰が下ろせて膝もうまく使い、腰高の相撲を取らない北青鵬ですから、今のところ相撲を変える必要はないでしょう。磨く必要があるとすれば単に太ることではない体重増で、筋力をアップして体幹を鍛えることではないかと思います。

金峰山、武将山も新入幕コンビとして将来が楽しみで、さらに十両も有望株がめじろ押しです。火を付けたのが落合で、つい数場所前まで騒がれていた熱海富士がかすむほどです。彼らが来年の大阪では幕内で活躍する姿が想像できるし、今の三役陣も早く大関に上がらないとアッという間に先を越される、と感じるほど勢いがあります。今場所の十両から幕内下位を見ていると、世代交代もあと1年後にはと期待できます。(日刊スポーツ評論家)

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