昭和以降最速の所要1場所で新十両に昇進した西十両14枚目落合(19=宮城野)が、幕内優勝経験者の36歳の徳勝龍を寄り切り3勝目を挙げた。地元鳥取には後援会が発足。関取として初めて15日間相撲を取る場所でサポートを力に変えている。幕内では綱とりに挑む大関貴景勝は阿炎に屈し2敗に後退した。4連勝は、小結大栄翔、翠富士、高安、錦富士、新入幕の北青鵬の5人となった。

同じ8月22日生まれで17歳先輩に先手を取られたが、19歳の落合は落ち着いていた。183センチ、190キロと一回り大きい徳勝龍の寄り身に1度は土俵際に押し込まれたが、膝を曲げてしっかりと残す。すかさず右前みつをつかむと、力強く前進して寄り切った。20年初場所で幕内優勝を飾った実力者からの白星も「あまり意識してなかった。きょうの一番勝ったという感じです」と淡々と振り返った。

幕下15枚目格付け出しで先場所デビュー。7戦全勝優勝で場所後に新十両に昇進した。昭和以降では初めて所要1場所で関取に昇進した令和の怪物は今場所も勢いを保つ。初日は幕下の塚原を下して白星発進。2日目こそ、同じ新十両の玉正鳳にプロ初黒星も、しっかり立て直して貴健斗、徳勝龍を退け2連勝と白星を伸ばした。

地元鳥取・倉吉市からの後押しが力になる。異例のスピード出世に、急ピッチで後援会が発足。先月下旬にできたばかりだが、10日時点で既に個人201件、法人・団体33件が加入。同後援会幹事兼事務局長の岩本善文さんは「県内外から問い合わせが絶えず、うれしい悲鳴です」と喜ぶ。地元のJR倉吉駅前では電光掲示板を使って取組結果を報告するプランも浮上するなど、地域を挙げたサポートの準備が進む。

地元の期待に応えるためにもスピード出世の歩みを止めるつもりはない。15日間相撲を取るのは初だが、「部屋でおいしいちゃんこを食べてるので大丈夫です」と疲れはない。目標の勝ち越しへ「1日、1日やることが結果につながる」と、5日目の友風戦に照準を定めた。【平山連】