昭和以降最速の所要1場所で新十両に昇進した西十両14枚目落合(19=宮城野)が、美ノ海を寄り切りで退け5勝目を挙げた。

立ち合いは右の張り差しで、得意の左四つに組み止めた。さらに出し投げで相手の体勢を崩し、最後はもろ差しになって万全の寄り切り。中盤戦を幸先良くスタートした。

取組後は「美ノ海関は前さばきがうまいので、自分はどっしりと大きい相撲を取ろうと思いました。(立ち合いは)胸を合わせたいという狙いでした。あまり内容は覚えていないですけど、勝てたのでよかったと思います」と、冷静に振り返った。

この日は取組後、同じ宮城野部屋の兄弟子、北青鵬の付け人を務めると明かした。「自分も付け人をやったことがないので、ありがたいですし、自分自身の勉強だと思っています。経験してみたいというか、それが当たり前だと思うので。自分もやらないといけない。付け人の方が、どういう気持ちでされているのか、自分もやらないと分からないと思うので、自分も体験したいです」。

新十両の落合にとって、15日間相撲を取るのは初。そこに付け人業務も加わるが「自分の取組と仕事は、割り切ってあるので、何も影響はないと思います」と、堂々と話した。

落合は今年1月の初場所で幕下15枚目格付け出しデビューを飾った。今場所初日には幕下の塚原(春日野)を退けて白星発進したが、2日目に同じ新十両の玉正鳳(片男波)に敗れて初黒星を喫した。

それでも気持ちを乱すことなく「ただ自分が負けただけと思っている」と気持ちを切り替え、3日目に母校の鳥取城北高の先輩、貴健斗(常盤山)から白星を挙げた。4日目には幕内優勝経験者の36歳ベテラン徳勝龍(木瀬)、5日目に友風(二所ノ関)を退けた。序盤戦を4勝1敗で終え、中盤に向かった。

この日の取組後は「変わらず、その日にやることをやっていきたいと思います」とも話した。相撲内容に加え、精神的にも大人な“令和の怪物”。順調に白星を積み重ねている。