3日目に左膝を痛め、試練の土俵が続く綱とり大関の貴景勝(26=常盤山)が、痛恨の3敗目を喫し横綱昇進へ崖っぷちに立たされた。

過去の本割で12勝12敗と五分で、大関経験者の御嶽海(30=出羽海)と対戦。立ち合いこそ踏み込んで相手を押し込んだかに見えた貴景勝だが、御嶽海の圧力に土俵中央へ戻された。その後も激しい押し合いとなったが、やはり膝に力が入らないのか、相手に馬力が伝わらず、小刻みなものを含めば4度も引いた。土俵際に押し込まれ、5度目の引きで万事休す。右足から土俵を割った。

不安的中に、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「明日からまた頑張らないといけない」と短評した。取組前には「速い相撲を心掛けるべき」と心構えを説いていたが、やはり時間を要し、左右にも動かされては膝が悲鳴をあげても致し方なかった。

NHKテレビの大相撲中継で解説を務めた元小結の舞の海秀平氏も、綱とり大関の6日目での3敗目という非常事態に「綱とりが一転して千秋楽まで持つか」と、休場の可能性にまで言及していた。