綱とりに挑む大関貴景勝(26=常盤山)が、崖っぷちに立たされた。

御嶽海に押し出されて痛恨の3敗目。立ち合いこそ力強く当たって前に出るも、押し切れずに後退し、最後は力なく土俵を割った。綱とりに向け、負けられない状況だったが、テーピングを巻く左膝の負傷の影響は大きいようだった。花道を引き揚げる際には悔しそうに顔をゆがめ、取組後のリモート取材には初日から続いて応じなかった。

6連勝でトップに付ける小結大栄翔、翠富士、高安の3人とは3差に広がり、場所後の横綱昇進は限りなく厳しい状況に追い込まれた。幕内後半戦の粂川審判長(元小結琴稲妻)は「足のせいもあるのか押し切れていない。もう1つ、2つ足が出ていない」とテーピングを巻く左膝を不安視。「まだ優勝しないとも限らないが、厳しいと言えば厳しい。もう負けられない状況。今後を見守りたい」と続けた。