西前頭5枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)が、全勝対決で高安(33=田子ノ浦)を突き落としで破り7連勝とし、優勝争いの単独トップに立った。

高安の強烈なかち上げにも117キロの軽量の体は盤石だった。何とか突き起こそうとする高安の押しにも、低い姿勢で下からあてがいながら応戦。突っ張り切ろうと伸ばした高安の左腕の付け根あたりを右から強烈に突き、タイミングよく突き落とした。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、勝因として「かち上げられて押されても押し返した。それで高安の足がそろってしまった。だから、いなしが効く」と解説した上で、精神面についても「小さくても押し返す気力がいい。(小兵だからといって)押されて当たり前、ではなく押し返す。体が覚える」と褒めた。

関取衆では、翠富士の171センチは炎鵬(167センチ)に次ぐ低さ(武将山と並ぶ)で、117キロも炎鵬(102キロ)に次ぐ軽量。そんな翠富士に同理事長は、さらに「今場所が楽しみ。勢いがあるうちに連勝を伸ばしたいだろう。小さい力士に夢を与えている。小さくても出来る、という目標になれる」と評価の言葉を惜しまなかった。