初日からの連勝を、ついに2ケタの「10」に乗せた翠富士(26=伊勢ケ浜)の相撲を、優勝45回の元横綱白鵬の宮城野親方が称賛した。

取組前には「自分と同じような身長、体重の相手とやるのは嫌じゃないですか」と翔猿(30=追手風)との一番を占っていた。同時に優勝争いで単独トップを走る状況に「ここからが勝負。本人も初めて(の優勝争い)で疲れも出てくる未知の世界」と話し、9日目までの相撲は「無理に突っ込むのではなく胸を合わせて、しっかりまわしを取る新しいスタイル。若い衆の頃から稽古をよくしていて、この場所で花が咲いた」と評していた。

右四つ、左上手を引き胸を合わせた十分な体勢から、最後は右の差し手を抜いてハズにあて体を寄せた。最後は12年九州場所12日目の大関稀勢の里(のち横綱、対舛ノ山)以来の決まり手となる割り出しで勝負を決めた。

取組後、宮城野親方は「緊張、堅さがあるかと思ったが、頭をつけたのが勝機につながったと思います」と解説した。取組前に、翠富士が緊張で前夜は一睡もできなかったというリポートが入ると「それは早いんじゃないですか(笑い)」と、優勝を意識するのは最終盤になってからという、45回Vの経験者ならではの見解を示していた。

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