大関経験者で東十両筆頭の朝乃山(29=高砂)が、豪ノ山を破り、7連勝で大台の10勝目を挙げた。得意の右四つとなったが、動きながら寄ってきた豪ノ山のペース。上体が伸び、土俵際まで寄られたが、左からの上手投げで逆転した。すでに勝ち越しを決めていた、取組前まで1差の豪ノ山を退けて10勝1敗。好調の相手との直接対決を制し、2場所連続の十両優勝に前進した。

取組後は反省しきりだった。「相撲内容がダメですね。自分の相撲を取れなかった。相手のペースで相撲をさせてしまった。受ける一方でした」と、勝ったものの唇をかんだ。ただ、相手の攻め、圧力にも土俵を割らずに踏みとどまった足腰の強さは健在。「しっかり残せているので、最後まであきらめずに取り切れた」と、下半身の安定感には自信を深めた様子だ。

前日21日の10日目も、小兵の炎鵬を相手にヒヤリとする場面があった。前日の取組後は「立ち合い、踏み込んだつもりが踏み込めず、前みつを取られて相手の形になった。その後は落ち着いて脚を運べたと思う」と話していた。14勝した先場所に続き、関取復帰後、2場所連続での2ケタ白星となったが、連日、勝っても反省。「星勘定は気にしないで、また明日から自分の相撲を取っていきたいです」。勝ち越しですでに来場所の再入幕を確実にしているが、残る4日間は内容にもこだわるつもりだ。