西前頭5枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)が連敗を喫し、小結大栄翔(29=追手風)に10勝2敗で並ばれた。さらに1差の9勝3敗で三役陣の3人がピタリとつける大混戦となった。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)はこの4人を、この日の相撲内容と合わせて今後を占った。大栄翔には、押し相撲の勢い、乗りとは別に「立ち合いは良くなかったけど落ち着いていた。乗っているというより実力がついてきたな、という印象」と優勝経験者に地力がついたことを強調した。

関脇対決となった結びの一番で、豊昇龍(23=立浪)に立ち合いで張られながら、激しい攻防の末、上手投げで破った霧馬山(26=陸奥)については「豊昇龍は要領よく勝とうとした立ち合いの張り差しが大失敗。霧馬山は要領よくとかではなく、いい立ち合いをしようと、真摯(しんし)に相撲を取った」と精神面を評価した。

やはり1差で追う小結の2人には「(若元春は)三役でいい成績を挙げ優勝争いをすれば次の大関も見えてくる。もっと色気を出してほしい」「(琴ノ若は)三役の中で一番、勝ち方が安定している。(翠富士との対戦も残り)期待ですね」と横綱、大関不在の場所で優勝争いを演じる三役陣に、期待の言葉を並べていた。