新関脇の霧馬山(26=陸奥)が初優勝を遂げた。1差で追っていた小結大栄翔(29=追手風)を、本割で土俵際の逆転で突き落とした。

続く優勝決定戦も、同じように押し込まれながら土俵際、右足一本で残り、大栄翔の左腕を手繰って逆転。霧馬山の足が出たのではないかと物言いがついたが、足は残っており軍配通りの勝利。星勘定も相撲内容も「逆転」の展開で、初の賜杯を抱いた。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「やっぱり(本割同様に)真っすぐに押されたけど、いなせた」と語った。三役で11勝、12勝と星を重ね、いよいよ5月は大関とりの夏場所。本割で勝ち12勝目を挙げた時点で「来場所のことを考えると、とても大きな一番だった」と分析した八角理事長は、優勝決定戦後に、霧馬山に今後、求められるものや課題について問われると「立ち合いで押し込まれないこと。立ち合いの重さ、速さが出れば、もっともっと楽に勝てる」と指摘。ここ数場所の成長に「ドッシリしてきたような気がする。新関脇で優勝だから持っていると言えば持っている。(大関の座を)つかむかどうかは本人次第」と話しつつ「上がってもらわないと」と1横綱、1大関の状況から脱する担い手として、霧馬山への期待を寄せた。

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