3場所全休明けの横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が、関脇豊昇龍を物ともしない取り口で10勝目を挙げた。

立ち合いから素早くまわしを取りにきた相手をがっちりつかまえて、逃げ場を与えず冷静にきめ出し。昨年の名古屋場所以来の2桁白星に到達した。

9日目に明生に金星を配給して以降は沈黙していたが、この日は取材に対応。「動きは良かったんじゃないですか」と淡々と振り返ったが、朝乃山と並ぶ1敗でトップに立って優勝争いを展開する状況には、横綱としての強い自覚が現れた。「もちろんその気持ちがないと横綱で出る意味がない」ときっぱり。膝痛の悪化で昨年9月の秋場所で途中休場を余儀なくされ、翌10月に両膝を手術。再起を懸けて懸命なリハビリを行い、今場所に向けて準備してきた。

4場所ぶりの復帰に、「できることは精いっぱいやってきた」と横綱。9日目に初黒星(●明生)を喫しても、「引きずってもしょうがない」と前を向く。残り4日も気持ちを引き締めて、「できることをやっていきます」と誓った。

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