4場所連続休場明けの横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が、優勝争いを左右する大一番を制した。

大関経験者で東前頭14枚目の朝乃山(29=高砂)を下し、1敗を守り単独トップを維持した。昨年5月の夏場所以来、1年ぶり8度目の幕内優勝にぐっと近づいた。14日目の結びで対戦する関脇霧馬山から勝利すると、千秋楽を残して自力優勝が決まる。

膝痛の悪化で昨年9月の秋場所で途中休場。翌10月に両膝を手術した。再起を懸けて懸命なリハビリを行い、今場所に向けて準備してきた。初日から横綱の貫禄をみせ、負けなしの8連勝でストレート給金を達成。9日目に明生に金星を配給したが、「引きずってもしょうがない」とすぐに気持ちを切り替えた。

12日目に若元春を退け、初日から無傷で勝ち越しを決めた8日目以来、2度目の単独トップとなった。勢い余って土俵から飛び降り、着地の際には膝を痛そうにするしぐさもあったが、「大丈夫」ときっぱり言った。

過去5戦全勝と合口が良かった朝乃山を物ともしなかった。「やることは誰でも一緒。最後まで優勝に絡まないといけない」。横綱としての強い覚悟を示し、残り2日間も自分の相撲を取りきる。