大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で再十両の勇磨(25=阿武松)と阿武松部屋所属の三等床山の床雄(26)が、職人芸で落語ファンをうならせた。3日、落語家の6代目三遊亭円雀(56)が主催の「落語大相撲」が東京・お江戸日本橋亭で行われ、「床山さんを知ろう」というテーマでゲスト出演した2人が髪結い実演を披露した。

関取の大銀杏を結う工程を土俵上で披露する髪結い実演は、巡業などでの恒例の出し物。今回は床雄が普段使っている道具の説明を交えながら、慣れた手つきでモデル役の勇磨の髪を結った。時おり客席から「何等まであるの?」「どうして床山にあったの?」「年収は?」などの質問にも、ジョークを交えながら瞬時に答えた。床山だったおじの影響で中学卒業後に入った相撲界の魅力を伝えようと奮闘し、「床山の仕事に少しでも興味を持ってくれれば」と願った。

落語大相撲では相撲に親しむ落語ファン増やそうと角界関係者を招いたり、相撲が題材の演目を披露したりしている。この日は他に三遊亭円雀が「阿武松」「半分垢」の相撲に関連する落語を行うなど会場を盛り上げた。今月、来月には九州でイベントを行う予定。【平山連】