馳浩文部科学大臣のおり、米国のNCAA(全米大学体育協会)のごとく、日本の大学スポーツの統括組織を誕生させるべく研究会をスタート。で、2019年に大学スポーツ協会(UNIVAS=ユニバス)として発足。私も顧問として名を連ねるが、貢献度なしの存在。

発足して約1年半、制度設計が理解されないのか、加盟する大学が増えずにいる。大学の組織も一部改編せねばならず、面倒くさい。アスレチック・デパートメント(AD)なる部局を設置し、人員を配して運動部員のすべてを管理する。大学の運動部支配に映る。

米国の大学の場合、アメリカンフットボールとバスケットボールがプロなみの大きな収益をもたらし、ADの運営資金をはじき出す。我が国の大学スポーツは金など稼がず、学生主体のただのクラブ活動。両国の大学スポーツのあり方は、まったく異なるため、NCAAを手本とせず、UNIVASは独自の発想で運営すべきだ。

スポーツに興じるには、リスクあり。大学では保障できない大事故、これをUNIVASの保険がカバーしてくれればありがたい。安心してスポーツに打ち込める環境を整備しないと、残念ながら加盟大学は増加しないだろう。

NCAAの学業とスポーツの両立は常識だ。各大学には自浄作用があり、ごまかさない。100年以上のNCAAの歴史は重く、私などは単位取得に泣いた。単位の取れる科目ばかり履修させられ、大学に利用される「助っ人」だった。日本の大学には、学生たちが運営するクラブ活動に口を出さない伝統がある。選手の成績まで大学が干渉するなんて、日本ではなじまない。で、反発する大学も散見する。

UNIVASは、安心安全のための組織に徹し、スポーツ振興と大会の開催に協力してくれればいい。各大学は歴史と伝統をもつ。それを打破してUNIVASの理想を押しつけると、多くの大学が逃げてしまう。

慶大、筑波大、関西学院大などが、なぜ加盟しないのか。加盟にメリットなしと決めつけられているのではないか。