コロナ禍の感染拡大には、完全にお手上げ、人間社会の完敗。われら大学関係者は、困り果てるばかり。「オープンキャンパス」が実施できない。あわててビデオ撮りだ。大学の魅力と受験生の将来の道を語る。

例年、入学者の8割が「オープンキャンパス」に参加していた。どこの大学に入学するか、その最終決断をする場なのだ。記念品だって豊富、親子で来学されるケースが多いので、大人へのサービスと説明にも気を配る。

われらの時代は、歴史と特徴で入学する大学を決めた。好きなスポーツで強くなれる、卒業後は体育教師になれる。それだけで日体大に入学した私は、先輩や先生の指導で留学するようになる。想像以上、高校生時代には夢想だにしなかった道が現実となった。

「体育・スポーツ」も学問的には細分化されていて戸惑う。私は体育・スポーツ史が好きで、まず格闘技の歴史を勉強する。体育大だから、実技ばかり実習ばかりだと思っていたが、座学もおもしろく感じたものだ。

進学する大学の卒業生たちの就職先を研究する必要あり。その大学の特徴が如実に表れている。その大学の歴史と伝統も表出している。偏差値、予備校のランクづけ、これらの信者のような受験生も多いが、まずあてにならない。歴史と伝統、それに学風を知ることによって、自分との相性がわかる。

私は、毎年、「オープンキャンパス」で受験生の親子の前で、己の体験を語ってきた。「好きなことのできる人生を選択すべきです」と、説くことにしている。「好きなことをしながら家庭の持てる喜びは大きい」とも話す。加えて「己しか持たない個性を生かす道を探るべきです」という。私の体験だ。

もう1つ、どんな高名な教授に学びたいか。実力ある教授は、世間でも顔が広い。教え子を手際よく、あちこちに就職させる。日体大にも、こんな教授が多数いる。私自身も売り込み隊長、だれよりも卒業生の世話好きである。