栃木・ベルセルバカントリークラブさくらコース18番パー5(488ヤード)。曇り、気温18度。無風。

戦いは“一進一退”で最終ホールまでもつれ込んだ。決着の18番は、ティーグラウンドから若干打ち下ろしで距離はない。グリーンは広く上り下りが入り組み、場所によっては3パットを誘発する。飯田哲也(元ヤクルトスワローズ)は16番の土壇場から「プロに負けるのは当たり前。気軽に楽しむ」と言ったが、戦略通り17番でバーディーを奪い最終ホール決着に持ち込んだ。

▼1打=飯田は「右池越えは270ヤード。越えて2オン」とドライバーで右サイドを狙った。池の先のカートパスに当たり大きく前にバウンドし、絶好のポジション。菰田依未(LPGA)は、「距離じゃない」と素振りを丹念に2回。気分を落ち着かせて230ヤードのベストショット。

▼2打=菰田は残り258ヤードを7Wでコントロールし、ピンまで90ヤードに運ぶ。飯田の飛距離はなんと350ヤード。ピンまで140ヤードを9Iで狙ったが「少しかんだ」と12メートルの難関パットを残す。

▼3打=「易しい距離を残した」と菰田。50度のウエッジでピン左3メートルのラインに寄せた。飯田は12メートルを「難しい。打たなければ上って左に下っていく」と、しっかりイーグルを狙ったが、打ちきれずにピンに向かうが傾斜に負け、ピンから遠ざかった。6メートルを残す。

▼4打=飯田は「引き分けるには入れるしかない」。しっかり打ったがカップをかすめ、3パットのパーとした。菰田のパットはカップの縁をなめて惜しくもパー。

両者パーで、18ホールの勝負は菰田の1アップで決着した。対戦は“ミドル440ヤード、ショート220ヤードを超えなければ女子プロもバックで打つ”という変則ルール。菰田の飛距離は220ヤードでセカンドがウッドを使う場面も多かった。菰田はアプローチとパットでパーを積み上げた。飯田は、ドライバーを中心に攻めたが、短いアプローチやパターで苦しんだ。特に5ヤード以内の寄せや2パットを決めていたら勝負は分からなかった。アマチュアとプロの差がここにあった。次回掲載は11月を予定。千葉・君津市ロイヤルスターゴルフクラブで、里崎智也(日刊スポーツ評論家)とLPGA女子プロとの対戦を予定している。(敬称略)協賛:https://junkatz.ebc.com/

[PR]