「今後、地域に根付いた女子野球を広めたい」と語るのは、東京の女子軟式野球チームのヴィランズ・南雲江里監督(35)だ。日女体大では軟式野球部に所属。卒業後、体育講師を続けながら、母校の監督や女子学童野球の監督も務めた。その教え子たちと「もう1度自分も野球をやりたい」と思い、2019年にヴィランズを立ち上げた。週1回の練習を続けている。

今季初の公式戦は9月20日のK5リーグだった。埼玉スーパースターズクレールと対戦し0-7で敗れたが、続くオープン戦では南雲監督自ら先発し1-0で勝利した。立ち上がりから得意のシュートがさえ、5回を散発4安打に抑えた。攻撃では、4回表2死から南雲監督が中前打で出塁すると2四球で満塁。相手投手の暴投で決勝のホームを踏んだ。

チームには4人の初心者がいる。20年3月に入部した神垣早耶さんは、大学までバスケットの選手だった。「社会人から野球を始めてどこまで出来るか、今挑戦中です」と懸命にボールを追う。

南雲監督は「野球を楽しく、ずっと続けたいと思えるように、環境や練習の工夫をしていきたい」と優しいまなざしを向ける。年齢や競技歴にかかわらず、競技人口の拡大につながると信じている。

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