今年で7回目のAKB48グループじゃんけん大会が10日、神戸ワールド記念ホールで行われ、AKB48・チームBの3期生で10年目になる田名部生来(23)が優勝した。直前辞退の島崎遥香をのぞき、98人が参加。酔っぱらいサラリーマン姿の田名部は、決勝でチームKの15期生・湯本亜美(19)を一発で破った。今年は優勝者をセンターに、上位7人でユニットを組み、CDデビューする。

 じゃんけん女王のはずが、頂点に立ったのは“オッサン”だった。興奮ゆえにかすれただみ声で「やばい!」「早く終わって、おいしい酒飲みたい」。10年目、3期生の田名部は、同期の渡辺麻友(22)柏木由紀(25)の祝福を受け、号泣しながら喜びを表現した。OG前田敦子の名文句を引き合いに「私のこと、嫌いになっても、AKB48のこと、嫌いにならないでください」と、呼びかけた。

 勝負服に選んだのは、頭にネクタイをまき、スーツの酔っぱらいサラリーマン姿。渡辺、柏木ら、同期3期生に負けじと、作りあげた個性、キャラが酒飲み。優勝後の取材会でも、涙をこらえきれず「2人(渡辺、柏木)が泣いてくれ、うれしかった」とも話した。

 強さの理由には「ケガで、いろんなもの、振り落としてくれたんじゃ」。右肩のケガで、2カ月ほど劇場公演を休んでおり、復帰したばかり。今回は「右腕でじゃんけんできてよかった」と笑みもこぼれた。

 この日、田名部は最初のAグループ。予選は7グループに分けられ、各グループからそれぞれ選抜決定者が決まるシステムで、真っ先に選抜入りを決めた。

 「10年間、AKB48にいて、楽しいこともあれば、つらいこともいっぱいあった。じゃんけんというすてきなイベントのおかげで、ここまで上り詰めることができた。下克上が果たせた。それに、やらせじゃないってアピールもできた」

 渡辺ら同期に肩を並べるセンターの位置をゲット。「1回目のじゃんけん大会で12位に入ったのに、PV(プロモーション・ビデオ)は全然映ってなくて、ファンに悔しい思いをさせた。今度は1位だから!」と雪辱も果たした。

 応援を続けてくれたファン、支えてくれた家族への感謝の言葉を続けると、涙があふれた。祝杯は「ビールで!」と決めており、所属するチームBでは、優勝の場合は「ビールかけを」との話もあったと明かした。「ほんとにビールかけ、やってみたいですね」と話していた。【村上久美子】

 ◆田名部生来(たなべ・みく)1992年(平4)12月2日、滋賀県生まれ。愛称「たなみん」。06年にAKB48の3期生オーディションに合格し、07年に劇場デビュー。10年の第1回じゃんけん大会で12位になり、初選抜入りした。趣味は漫画、アニメ、特撮で、好きな漫画は「ドカベン」。164センチ。

 ◆AKB48じゃんけん大会 シングル曲の選抜16人を運だけで決めることを目的に10年にスタート。第1回から選抜未経験の内田真由美(卒業)が優勝。年によって「ご褒美」は変わり、14、15年は優勝者がソロCDデビューした。