各都道府県を回るAKB48チーム8の全国ツアーは、さいたまスーパーアリーナに1万2000人を集めて行われた。チーム8のコンサートでは最大規模とあって、さまざまな趣向を凝らした演出でファンを喜ばせた。

 本編は、女子高生の淡い片思いをテーマにしたミュージカル風の寸劇で幕を開けた。ヒロインには中野郁海(16=鳥取)、同級生役に佐藤栞(19=新潟)本田仁美(15=栃木)谷口もか(15=宮崎)福地礼奈(20=佐賀)ら。厳しいオーディションを通過したメンバーたちが、セーラー服姿で熱演した。ダンスパフォーマンス集団「東京ゲゲゲイ」に演技指導を受け、ストーリーに合わせて「挨拶から始めよう」「RIVER」「大声ダイヤモンド」などを歌った。

 アンコールでは、生バンド演奏に初挑戦した。ドラムを山田菜々美(18=兵庫)と下青木香鈴(16=鹿児島)が交代で、ギターを小田えりな(19=神奈川)長久玲奈(16=福井)、ベースを舞木香純(19=福島)、バイオリンを高岡薫(16=愛媛)、キーボードを高橋彩音(19=埼玉)が、それぞれ担当。ボーカルは岡部麟(20=茨城)、さらに小栗有以(16=東京)倉野尾成美(16=熊本)下尾みう(15=山口)早坂つむぎ(15=山形)がコーラスを務めた。岡部は「ザ・エイトルズです!」と名乗り、「ロックだよ、人生は…」「ヘビーローテーション」など3曲を披露した。

 山田はドラム初挑戦だった。清水麻璃亜(19=群馬)は「山田に『ドラムはどうやって練習したの?』と聞いたら、『ホテルの枕と割り箸を使って練習した』って言ってた」と、山田の涙ぐましい努力ぶりを明かした。山田だけでなく、舞木も本格的な楽器挑戦は初めてで、岡部は「かすみんとか山田とかが、新しいことに挑戦したし、これからもどんどん、(チームで)他のことにも挑戦していきたい」と意欲的に語った。