AKB48のメンバーが1人1人、株式会社を持ちって、その株の売買を楽しむスマホアプリゲーム「AiKaBu(アイカブ)」を配信する京楽産業の関係者に話を聞いた。実際の株式市場のように、メンバーの動向によって、株の値が上がったり下がったりしている。

 たとえば、メンバー佐々木優佳里は、SNSなどで「私の株を買ってみて~」とPRした結果、ファンが株の買い取りに殺到して、発言後のゴールデンウィークに連日急騰した。

 また、チーム8の下青木香鈴が、地元の鹿児島で凱旋(がいせん)コンサートをした夜は、下青木の株が高騰。鈴木まりやの卒業公演の日は、お祝いを兼ねてか、鈴木の株に買いが集まって、やはりストップ高にまでなった。

 関係者は「実現して欲しくはありませんが、いつか週刊誌にスキャンダルが報じられるメンバーが出たりしたら、株がストップ安になるほどに暴落するようなことも、ありえると思います」と話す。

 ちなみに、卒業する鈴木まりやは、最後の握手会が6月10日。その日をもって、鈴木の株は消滅する。いわゆる現実世界でいう株式会社の倒産だ。その日までには、売り切ってしまわないと、大損をすることになってしまう。

 このようになかなか、実際のメンバーの動向に影響していくと、ファンにとっては面白いゲームに成長していきそうだ。

 ところで、京楽産業の関係者が話した、このゲームの目的の1つが「なるほど」と思わせてくれた。

 配信会社としてゲームでもうけることはもちろんなのだが、裏の狙いが1つあると明かしてくれた。

 「例えば、ドラマ出演が決まったメンバーや、センターに選ばれたメンバーの株が上がったりするので、ゲーム内の株価をチェックすると、メンバーそれぞれの現状が分かるようになるはずなんです。また、推しメンだけじゃなく、いろんなメンバーの株取引をするようにもなるでしょう。要するに、毎日ゲームを楽しんでもらうことで、メンバー全員、グループ全体に常に興味を持つようになってくれると思っているのです」

 株取引で勝つ(もうける)ために、日々メンバーの動向を気にするようになり、情報を集めるようになるということ。「AKBは、知名度の高いメンバーが卒業していって、世間的認知度は下降気味です。そんな時だからこそ、単にゲームを楽しんでもらうだけでなく、ゲームを通じて、再びAKBへの興味を引き戻したいのです」。

 人気アイドルの名前に乗っかってもうけるだけのゲームにせずに、グループへの還元を忘れていない内容だった。

 確かに最近1カ月間、試しにプレイしてみた私も、いろんなメンバーの特徴や動向を気にするようになった。ゲームで勝つために。関係者の狙い通りになっていた。

 今後、このスマホゲームが、どれだけ影響力を広げていくのか、ちょっと注目してみようと思う。

 そして、19日に5月号を発売する月刊AKB48グループ新聞は、そんな株価の値動きを左右するメンバーの情報が盛りだくさん。いわゆるAiKaBu版の日本経済新聞になるかもしれない(笑い)