タイ・バンコクに拠点を置くBNK48に移籍するAKB48伊豆田莉奈(21)が29日、東京・秋葉原のAKB48劇場で、AKBとして最後の劇場公演に出演した。

 伊豆田は全体曲「夢を死なせるわけにいかない」や、ユニット曲「記憶のジレンマ」などに出演。「AKBとしては最後のステージになりますが、メンバーや皆さんに会えたことが最高の幸せです」と感謝を口にした。

 公演は開始から伊豆田の送迎ムードとなった。研究生の千葉恵里(えりい=13)は、伊豆田の「うそだけど伊豆から来ました」のキャッチフレーズをまねて、「うそだけど千葉から来ました」と自己紹介し、場内を沸かせた。「天才だと思う人」というトークテーマでは、岡田奈々(19)が「いずさん(伊豆田)かな。人と仲良くなるのがすごくうまい」と感心。村山彩希(ゆいり=19)も「いつの間にか『(伊豆田のポーズ)デーン!』のとりこになっていて、自分も写メ会でやってたりする」と、知らぬ間に影響されていたことを明かした。

 アンコールの壮行会セレモニーには、加藤玲奈(19)入山杏奈(21)NMB48市川美織(23)ら同期の10期生も登場し、「永遠より続くように」を披露した。渡辺麻友(23)ら、ゆかりのあるメンバーからのビデオメッセージも届くなど、愛されキャラらしいフィナーレとなった。グループ総監督の横山由依(24)からは、「『48グループを盛り上げたい』と言ってくれたいずりなは、もう昔の泣き虫じゃない。いずりなならデーンとやってくれる」と期待を込めた手紙を送られた。同期の阿部マリア(21)から「卒業おめでとう」と花束、アルバムを渡されると、伊豆田は「卒業じゃないから! 写真の変なのばっかりじゃん!」と苦笑いした。

 「スターになってきます」と海外移籍を決意した伊豆田は、7月2日付でBNK48に完全移籍する。現地では移籍初日からテレビ収録が控えているほか、同月から始まるタイ全土のショッピングモールをめぐるツアーに参加。ネット配信のスタジオで収録にも出演する。今年は日泰修好130周年という記念の年ということもあり、国家的な行事への参加オファーも殺到しているという。早ければ12月にも、バンコク市内に完成する劇場で公演デビューする。

 最後のスピーチでは「私の今の目標は、BNKをAKBを超えるグループにすること。メンバーはすごく頑張っていて、キラキラしていて、既に刺激をもらっています。不安がないと言ったらうそになるけど、明るく送り出してもらったからには、頑張らないといけない」と決意を語った。最後は「私にとって一番大切な曲を歌います」と、AKB48での唯一のセンター曲「Reborn」を歌った。涙に暮れるメンバーたちとは対照的に、伊豆田は最後まで涙は見せることなく、笑顔で劇場を後にした。