A とにかく、なかったことにしようとしつつある今の雰囲気と、牙を抜かれてしまっている今の彼女はもったいないです。

 D もう1回、彼女の価値が上がることがあってもいいと思っています。

 A 私も同感です。須藤にしかないものというのは、確実にあるわけだから。そして、AKB48グループとしては、アイドルとしては邪道な行為だったけれど、今回のことでいま一度、AKB48自体に、すごく注目が集まりました。須藤が出たから、純潔アイドル渡辺麻友や、スピーチで糾弾した高橋朱里や岡田奈々の正統派アイドルとしての存在感も増した。本当は全体としてはいい流れなのです。無かったことにする必要はありません。

 B せっかくすごいことが起きたのだから、アイドルファンや世間が、あらためて「アイドルとは何なのか?」を問い続けられるようにしていけばいい。AKB48グループの中では、この問題を問い続けることを、活動の軸、テーマにしていっていいとも思います。

 C 「アイドルは恋愛禁止か否か?」。世間はいつもその答えを求めがちですが、実は、これは禁止にしようが曖昧のままにしようが、大差はないのです。アイドルが存在する限り、恋愛問題は絶対に無くなりません。明確に禁止にしたら、必ずみんながルールを守るようになるという話ではないから。

 A 禁止にしても、アイドルも人間だから、絶対に恋愛してしまう子は出続けますから。

 C 例えば、ほかの人気アイドルグループのファンの中には「こんなことウチではありえない」って主張する人も、この1カ月でたくさん出てきたんだけれど、絶対にどこにでもあるし、常に起こり得る問題だと思っています。

 B いつか、現役アイドル、メディア、ファン、一般層が集まって、この事件について、あらためて討論してみたいですね。

A と、ここで対談は終わるつもりだったのですが、急きょ、須藤の新ニュースが飛び込んできました。新アルバムのPRメッセージで、「今、思うこと」というお題に、「私はドイツで博士号を取ってきます」と卒業後の進路と思われることをつづりました。尊敬する哲学者ニーチェの母国ですね。

一同 (あっけにとられた顔で)……。

A いや(汗)、皆さんのお気持ちは、さすがによく分かりますよ! そりゃあ、こうなるとさじを投げるか、苦笑いしか浮かびませんよね(苦笑い)。

D 結婚の話はどこにいったの? あれだけ大きな花火を打ち上げたのに…。

C いったい彼女は何をしたかったのか、余計にわからなくなってしまったね。

B 結婚宣言に続いて、ここまで大きなことをぶち上げ続けると、もはや「永久電池」の発明まで宣言していたアントニオ猪木の領域ですね(笑い)。

A 総選挙とその後の世間の反応を受けた後に思い至った具体的な進路なのは明らかなので、須藤ファンから聞く彼女の性格と、我々が知る彼女から推察するに、少なからず「虚勢を張った」感は否めませんね…。

D 留学するのは自由ですが、さすがにきちんと説明責任を果たしてからにすべきです。そうじゃないと、「結局、あの結婚宣言は何だったの?」とツッコまれるだけですから。帰国後にタレント活動をするとしても、ツッコミの余地が多すぎては、こうやって味方、理解者が、どんどんいなくなってしまいます。

A メッセージをよく見てみて下さい。NMB48のことを「ここには愛しかなかったです。愛はここにしかなかったです!!」とも書いてあります。あれっ、彼氏のところに愛は? これって、さらっと破局を報告してるんじゃないでしょうか!

B ここまで真剣に語ってきた我々は一体何だったんでしょう(苦笑い)。まぁ、こうなったら本当にドイツに行って、今「虚勢を張った」と言った我々を見返すほどの説得力のある実績をつけて、またいつか何らかの形で公の場に登場してほしいですね。

A 何となく、きれいに締めようとしないでください(笑い)。

C ドイツでもなんでもいいんですけど、悲しいことに、もはや誰も彼女のことを話題にしなくなったことが、本当に黒歴史みたいな悲しい結末になってしまって、誰も彼もが損をした感じになってしまいましたね…。一瞬話題になったけど、台風みたいに過ぎ去っただけで、なんかもったいなかったなぁ…。

A Dさんがおっしゃるように、8月30日の卒業公演では、説明か本音を話してくれることを望みましょう。須藤ファンは、「意地でも本音は言わない子だし、自分の行動を無理やり正解にしたので、今さら間違いに気づいても、性格上、撤回できないのです。我々が悟ってあげるしかないんです」と言われています(苦笑い)。最後に「あの場では間違いでした!  ファンも裏切ってしまいました!しかも意地張って正当化しちゃいました! パニクっていました、ごめんなさい!」と言えたら、うまくまとまると思っています(笑い)。(終わり)