台湾に発足するTPE48へ移籍するAKB48阿部マリア(22)が30日、東京・AKB48劇場で「阿部マリアを送る会」を行った。所属するチームKの公演に親しいメンバーたちと出演。その後の壮行会では、TPE48の研究生6人と一緒に「ヘビーローテーション」を披露した。

 いつもは、飄々(ひょうひょう)とした振る舞いの阿部が、思わず涙した。最も慕っていた先輩のNGT48北原里英がサプライズでお祝いに駆けつけた時だった。「私が人間的な部分で最も影響を受けて、この人のようになりたいと思った先輩」から花束を渡されると、感情があふれ出た。

 最後のスピーチで、いつも通りに明るくあいさつしようとした時も、再び涙がこぼれた。「明るく終わらせるつもりだったのに、ファンを前にしたら、今までの楽しいことだけじゃなくて、辛いこととかもいろいろ思い出しちゃって、涙が出ちゃいました」。

 脳裏によぎったのは、13年のAKB48選抜総選挙だった。初めて速報で58位に入ったが、最終結果は圏外。「あの速報でのファンの皆さんの喜びようと、本番で入らなかった時の悲しみようを目の当たりにしたときのことです。今までファンの皆さんも私も何も言わないできたけれど、お互いにきっと思っていただろうなってのが、そこで思い浮かんででした」。まさに苦楽の8年を共にしたファンとだからこそ、共有できる瞬間だった。「だから、それらを思い出した上で、これからTPE48で頑張るぞ、見ててねって気持ちで終われました」。

 最後に高らかに誓った。「私、阿部マリアとTPE48は、アジアで1番人気になれるように頑張っていきます」。そう宣言すると、観客は大きな拍手でたたえた。

 AKB48劇場に別れを告げた今後は、12月中に台湾に転居する予定だ。